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介護で自己嫌悪になる

介護施設で利用者に暴力をふるう職員が
問題になることがある

昔はそういうニュースを見ると
「なんてひどい!」
と思ったけれど、
今はなんとなく加害者の気持ちがわかる

私のパートナーは全介護
つまり、一人では何もできない
起き上がることも立つこともできないから
洗面所に行くこともトイレに立つこともできない
つまり、日常生活のすべてを
私がやってあげなければならない

身体が効かないだけでなく
脳も障害が残ってしまったので、
言われたこともよく理解できなかったりする

最近やっとTVのリモコンが使えるようになったけど
脳の指令が身体にいきわたっていない
記憶障害、注意欠陥症、
遂行機能障害などがあるため、
サラダを2つの皿に分けることもできない
(途中でやめて食べ始めたりする)

簡単に言うと頭の中が
まだだいぶバグっているのだ
だから話もトンチンカンだったりするし
自分を良く見せようとして
「俺はまだ会社に勤めている」
なんて言っちゃったりする

そういうインチキ話に
スルー出来る日もあるが、
できない日もある。
特に何度言っても覚えてくれないことが
続いたり、
できないことを指摘すると
とんでもない言い訳をされると
病気とわかっていてもカチンと来て
すごく怒ってしまう

家人は易怒性という
キレやすい状態であるのだが
私はさらにその上をいく怒りっぽさだ
そして、
悪口雑言の数々で家人を打ち負かしてしまう

なぜ怒ってしまうのか、
私が愛していた家人でなくなってしまった
欠落感と虚無感
それに加え、
私にも承認欲求が高くなっているのだろう

「こんなにやってあげてるのに」
という気持ちが強くなっているのだろう


介護を頑張っている私のことを
友人たちは
「愛だね」という。

確かにそれもあるだろう。
けど、もうそんなの全体の数%だ。
今の私には「絶対治す!」という意地と
義務感しかない気がする。

ガーッと怒ってしまった後、
私はDV夫のように
家人が寝ているリビングにそーっと言って
「さっきは怒っちゃってごめんね」
と謝ることにしている。

すると家人はどんなに寝ていても
「ううん、いいんだよ」
「きっと僕がまたヘンなこと言っちゃったせいだよね」
「全然気にしなくていいよ」
と必ず言う。
(言った事さえ覚えていないと思うけど)

そう、私が家人を大好きなのは、
いつでもどこでも私を受け入れてくれること。
どんなに爆睡していても手を触ると
いつもぎゅっと握り返してくれた。

そんな優しい家人が大好きだったのだ。

障害が残って思うように表現できなくても
家人の本質は昔のままなのだ。
変わらず家人は私を大事に思っていてくれる。

わかってるけど、
どうしてもカチンとくると怒ってしまう。
そして、自己嫌悪に陥る。
その繰り返し。

介護をしていて怒ったり泣いたり騒いだり
しない人っているんだろうか
もしいるのなら、
怒らない方法を教えてほしい。

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