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忘れられないカメラマン

今日は、とある水族館で私が体験した話を聞いてください。

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「また来たよお兄ちゃん!」

私のことをお兄ちゃんと呼ぶ気さくな声。
ふと顔を上げると、そこにはどこか懐かしいご夫妻の姿がありました。

「久しぶり! お兄ちゃんのことよーく覚えてるよ!」

「こんにちは! たしか1年くらい前の?」

「そうそう! あの時撮ってもらった写真は、引き伸ばして部屋に飾ってあるからな」

このやりとり、とてもフレンドリーじゃないですか? 私たちが会うのは今日を含めて2回目です(笑)。こんなに気さくに話してくださるお客様は忘れもしません。久しぶりの再会に心躍り、その後しばらく世間話に花が咲きました。

「結婚したのか? おめでとう! って、お兄ちゃん何歳なの?」

「35歳です(笑)」

「おれの息子と同い年か。なんだか息子が結婚したみたいで嬉しいよ」

「ありがとうございます! …でもお父さん若いですね。とても35歳の息子さんがいるように見えませんよ」

「おれも58歳だからな… 時間が経つのは早いものだ」

「本当ですね…。あ、もうこんな時間? すっかり時間を忘れて楽しんでしまいました(笑) 今日も写真を撮っていかれますか? 1年ぶりの記念に…」

「去年と同じ写真はいらないよ(笑)。 …でも、今日はお兄ちゃんとの再会の記念に撮っていこうかな。よし、準備してくれ」

かっこよく撮ってくれよと大きな声で笑いながら、ご夫妻は撮影にご参加くださいました。

ご主人は仕上がった写真を手に取って「いい写真撮るじゃないか」とお褒めの言葉をかけてくれました。

「じゃあまた来るね、ありがとう」

ご夫妻が帰られた後も、私は喜びに打ち震えていました。
それは「常に心がけているサービスへの想い」がお客様に届いたような気がしたからです。

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私たちアミーゴは、お客様の「幸せな瞬間」を撮影し、想い出創りのお手伝いをしています。
それは観光地で味わう非日常の空間や体験。その体験を通して得るお客様の心のときめきや開放感であったり、百人百様、さまざまな「幸せの瞬間」。

そんな「幸せの瞬間」を、私たちアミーゴ自身が創って差し上げることが出来たなら、それはなんて素敵なことだろう。観光地の魅力まかせにしない、アミーゴとお客様とで創る特別な想い出をお持ち帰りいただきたい。私は常々そう考えています。

その想いがまさに今日叶った気がしたのです。
「お兄ちゃんとの再開の記念に」という理由で撮影にご参加していただいたこと。
「息子が結婚したみたいで嬉しいよ」と仰っていただいたこと。

お客様が私を通して特別な想い出を創ってくださったこの体験はまさに、私自身が「幸せの瞬間」を創って差し上げることができたのではないか。そう感じました。

『「この人に撮ってもらいたい。この人と想い出を創りたい」そう思ってもらえるような接客を』

これは現場で働くアミーゴたちにも常に心がけるよう、私がいつも指導している言葉です。
私自身その信念を忘れることなく、これからも体現していこうと改めて心に誓いました。

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