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本との距離⑮(800字)

1~2年生の頃から、時間はだいぶ空くことになったが、5年生になってからやっと久しぶりに腰を据えて"小学生”をやることになった(良くも悪くも義務教育に呑まれていったような)。

2年以上も学校に行っていなかったせいで、授業に慣れるまでにやや時間はかかった。マラソンで痛感した体力どころか、1~2年生まで続けていた(先回りして勉強していた)公文の知識ストックも尽き、ビハインドからの「追いつき、追い越せ!」の状況だったのをよく覚えている。

ただ負けず嫌いなのがよかったのか、6年生に上がるまでには成績は鰻登りで、学校における"優等生"へと駆け上がっていた。また平日休日関係なく海にばかり行っていたせいか、カナヅチまで克服し、体力もかなりついてきた。

同級生ともちょこちょこケンカみたいなことはしてたけど、わりと上手くやれるようになっていた。そんな心身ともに落ち着いた時期、国語の授業で出会ったのが、"ショートショート(小説の中でも特に短い作品)の神様”・星新一の『おみやげ』だった。

地球にやってきたフロル星人。しかしまだ人類は誕生していない時代だった。そんな彼らは、未来の人類に向けて、文明を進歩させるためのヒントがたくさん詰め込まれたタマゴ型の"おみやげ"を残す。人類の進化とともに、そのおみやげがどういう末路を辿るのか。

1500字足らず、4ページもない文量で、SFの未知のワクワク、人間に対する皮肉が圧縮され、ぼくは衝撃を受けた。

物語は長いもの(だから読む耐性をつけなくちゃいけない!)と思っていたのもあって、脳みそはゆさぶられまくり、何事にも抜け道というかやりようはあるのだなぁと。

「短いのに、おもしろい!」。これって最高じゃんと思った(今も変わらず思ってて、短歌とかコピーとかすげーーーと思い知らされている)。

教科書をきっかけに、図書室で『きまぐれロボット』を借りた。ここから、ぼくの読書が加速していく。

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