【世界標準の経営理論】 ストラクチャル・ホール理論
引き続き、入山章栄さん(著)の世界標準の経営理論より、ピックアップしました。今回は、3つめの「ストラクチャル・ホール理論」をまとめております。
第12〜13章 知の探索・知の深化の理論(前々回)
第25章 弱いつながりの強さ理論(前回)
第26章 ストラクチャル・ホール理論(今回)
〜前回までの記事はこちら〜
紹介する本「世界標準の経営理論」について
世界標準の経営理論
著者:入山章栄
発売日:2019/12/11
今回紹介する内容:
第26章 ストラクチャル・ホール理論
【要点】
〜ストラクチャル・ホール(SH)理論の要点〜
SH理論では、ブローカレッジは①情報の優位性、②コントロールの優位性の2点を持つ。ここで、このブローカーはSHが豊かであるほど優位に立つことができるため、単に多くの人と繋がればいいのではなく、 「つながり方の構造」が重要であると言える。
【内容】
ブローカーとストラクチャル・ホール
ストラクチャル・ホール(SH:Structural Hole)理論は、「ネットワーク上の情報伝播で一番得するのは誰か?」の視点で、AとBをつなぐ唯一の人である。この人をブローカーと呼ぶ。
ブローカーの優位性は、①情報の優位性と②コントロールの優位性である。
①情報の優位性:ブローカーだけが最も効率的に情報入手が可能
②コントロールの優位性:ブローカーだけが情報コントロール可能
→繋がっていないプレーヤー(AとB)同士の仲介となり優位に立つ
つながり方の構造
①(ブローカー):
ストラクチャル・ホールが豊かで、情報をコントロールできる
②:
多くの人と繋がっているが、高密度なネットワークで囲まれており、ストラクチャル・ホールがないため、情報のコントロールができない
→多くの人と繋がれば良いのではなく「つながり方の構造」が重要
SH理論とイノベーション
イノベーションは既存知と既存知の組み合わせであり、SH(ストラクチャル・ホール)の豊かなブローカーの位置が向いている。
◾️ どのようなプレーヤーと繋がるか?
→異なるタイプのプレーヤー間の結節点になる方がいい
・同質のプレーヤーでは多様な情報が入りにくい
・同質のプレーヤーのブローカレッジは信頼関係を損なう
◾️ SHを生み出す人:バウンダリー・スパナー
→組織の境界で行動する人々であり、組織に必要なタスクを遂行し、境界を超えて組織内部と外部の要素をつなげる役割
◾️ H型人材:バウンダリー・スパナー的人材
→2つの軸を持ち、異なるプレーヤーをつなぎ、自身のメリットだけでなくネットワーク全体のメリットを追求する役割
【感想】
チーム内では強いつながりを意識して密な関係を持ちつつ、チーム外で弱いつながりを意識し、ストラクチャル・ホールを作るブローカーたる存在になるようにポジション取りをすることで、チーム内に効率的に情報が流れ込むようになる理論を学びました。
本書について、他の章も読んでみたいと思います。
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