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27歳。 読んだ本のまとめ。 日頃の気づきのメモ。

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最近の記事

【はじめてのスピノザ】自由について

前回までに、スピノザの倫理観について触れてきた。 スピノザの倫理観は、すべての個体は完全であることから始まり、組み合わせで善悪が決まるとあった。 また、物事の本質は形ではなく、「力」であり、時と場合で変化するものだと学んだ。 そのため、スピノザにとって善く生きるとは、常に「実験を重ねること」であり、そうやって主体がレベルアップすることではじめて、心理に近づける。 今回は、この考え方をもとに、スピノザが考える「自由」についてまとめた。 以下、それぞれの詳細である。 ①自由

    • 【はじめてのスピノザ】互いに尊重し合う社会

      スピノザの倫理感は、徹底的に個人の性質で物事を考えており、さらに個人の性質は、様々な要因で変化するものであるから、常に実験を繰り返すことが重要とある。 これは、自分を理解する上でも重要だが、他者と接する上でも非常に重要なことと感じる。他者を、見た目やこれまでの価値観で判断するのではなく、常に成長し変化している個体として認識することで、本質を理解できるとともに、より寛容に接することができるのでは、と思った。 以下、今回の要点である。 ①物質の本質は「力」である 物事の本

      • 【はじめてのスピノザ】個別具体的に考え、実験すること

         あらゆる物事が複雑化し、また集団としての価値観や道徳がめまぐるしく変化する現代社会において、長いものに巻かれるだけの姿勢では、多くのことを見落としてしまう可能性がある。  そこで、手に取った本が本書である。私が重要だと思った箇所を、何回かに分けてまとめていきたい。 はじめてのスピノザ 自由へのエチカ (講談社現代新書) | 國分功一郎 | 哲学・思想 | Kindleストア | Amazon 要点■すべての個体はそれぞれに完全である  一般的観念は、これまで何度も見た

        • 【葉隠】智仁勇について

          葉隠の一節に、儒教の教え「智仁勇」に触れている箇所がありました。 葉隠は江戸時代に編集された本なので、賛同できない部分も多々ありますが、この智仁勇に対する考え方は非常に重要なことと思います。 論語の三徳では、「智の人は惑わず、仁の人は憂えず、勇の人は恐れない」と紹介されていますが、葉隠では、この三徳を身につけるための実用的なアドバイスを提示されています。 ■智→人と相談すること 本を読んだり勉強したりすることももちろん重要ですが、「正しいことを知る」ためには人と話すこ

        【はじめてのスピノザ】自由について

        • 【はじめてのスピノザ】互いに尊重し合う社会

        • 【はじめてのスピノザ】個別具体的に考え、実験すること

        • 【葉隠】智仁勇について

          【資格取得】JDLA Deep Learning for GENERAL 2021#1

          資格取得について 「JDLA Deep Learning for GENERAL 2021#1」に合格とのことで、本記事のヘッダーのようなロゴが送付されました。クールなロゴです。合格証も1ヶ月程度で送付されるようです(PDFです)。 ◾️ 資格を取ろうと思ったきっかけ  私はプログラミングはできませんが、プログラミングにはどのような手法があるのか?また何ができるか?を知ることは、今後、自分の業務に取り入れていくために重要であると感じます。本資格は、その第一歩です。  実際

          【資格取得】JDLA Deep Learning for GENERAL 2021#1

          【世界標準の経営理論】 ストラクチャル・ホール理論

          引き続き、入山章栄さん(著)の世界標準の経営理論より、ピックアップしました。今回は、3つめの「ストラクチャル・ホール理論」をまとめております。      第12〜13章 知の探索・知の深化の理論(前々回)      第25章   弱いつながりの強さ理論(前回)      第26章   ストラクチャル・ホール理論(今回) 〜前回までの記事はこちら〜 紹介する本「世界標準の経営理論」について 世界標準の経営理論 著者:入山章栄 発売日:2019/12/11 今回紹介する内

          【世界標準の経営理論】 ストラクチャル・ホール理論

          【世界標準の経営理論】 弱いつながりの強さ理論

           前回に引き続き、入山章栄さん(著)の世界標準の経営理論より、ピックアップしました。今回は、2つめの「弱いつながりの強さ理論」をまとめております。      第12〜13章 知の探索・知の深化の理論(前回)      第25章   弱いつながりの強さ理論(今回)      第26章   ストラクチャル・ホール理論 〜前回の「知の探索・知の深化の理論」はこちら〜 紹介する本「世界標準の経営理論」について 世界標準の経営理論 著者:入山章栄 発売日:2019/12/11

          【世界標準の経営理論】 弱いつながりの強さ理論

          【世界標準の経営理論】 知の探索・知の深化の理論について

           全ての章は読んでいないですが、私のような企業のイチ若手社員にも重要であり、常に意識して仕事に取り組むべきと考える内容を選択しました。  第12〜13章 知の探索・知の深化の理論(今回)  第25章   弱いつながりの強さ理論  第26章   ストラクチャル・ホール理論 今回は、1つめの「知の探索・知の深化の理論」をまとめております。 世界標準の経営理論 著者:入山章栄 発売日:2019/12/11 今回紹介する内容:  第12〜13章 知の探索・知の深化の理論 【要点】

          【世界標準の経営理論】 知の探索・知の深化の理論について

          【資格取得】エネルギー管理士(熱分野)

          資格の取得(エネルギー管理士) 私は修士課程は「化学」を専門としていましたが、現在の就職先での配属では、化学製品の製造プラントにて、熱交換や熱収支を加味した新技術の導入を行っています(もちろん化学的な知識も役立っています)。  化学製品を世に出すためには、化学分野の知識も必要ですが、それ以上に製造プロセスを理解することは大変重要です。熱力学、流体力学、物質移動論、エネルギー工学、などなど。エネルギー管理士の勉強をすることで、それら全てをマスターできることはありませんが、私を

          【資格取得】エネルギー管理士(熱分野)

          2020年6月30日にまたここで会おう〜瀧本哲史伝説の東大講義〜

          2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義 著者:瀧本哲史 発売日 : 2020/4/27  自分で考えて自分の責任で決めて、行動しなさい。行動による失敗は織り込み済みであり、成功確率を上げるための「武器」を学ぼう。  このような感じの本だと解釈しました。本書は東大での講義とのことですが、文章からも教室の熱気が伝わってくるようでした。  各章について、メモ書き程度ですがまとめました。「自分で考えて、自分で決める」肝に命じます。 第1章について自分で

          2020年6月30日にまたここで会おう〜瀧本哲史伝説の東大講義〜

          【Veritasium】カリウム(potassium)の歴史

           科学系のトピックを扱っているYoutubeチャンネルのVeritasiumにて、カリウム(potassium)の歴史についての動画がアップロードされていました。科学と歴史を結びつけて、楽しくわかりやすく説明されていて、とても好きな動画です。英語の勉強にもなります。  本動画は、サムネにもあるように、ユタ砂漠の鮮やかな青色の池が何なのか?という疑問から始まります。科学実験?田んぼ?  しかし、真実はもっと魅力的とのことです。この池は、石鹸やガラスから火薬やジョージ・ワシント

          【Veritasium】カリウム(potassium)の歴史

          【化学兵器と核兵器】世界史は化学でできている

          絶対に面白い化学入門 〜世界史は化学でできている〜 著者:左巻健男 出版社 : ダイヤモンド社 第1版 (2021/2/16) はじめに 第18章の、化学兵器と核兵器の歴史と化学の関わりをピックアップしました。本書は他にも、ビールやワイン、麻薬やタバコ、石油など、様々なトピックで、歴史と化学も紐付けを行なっていて、とても興味深い内容になっています。化学を学ぶにあたって、その光と影をわかりやすく知ることができる本だと思います。  ピックアップした第18章「化学兵器と核兵器」

          【化学兵器と核兵器】世界史は化学でできている

          【なぜブロックチェーンなのか?】

          はじめに 充実した内容の本のため、読書メモみたいになってしまいました。    本書は、はじめに技術としてのブロックチェーンを説明し、その後は、ブロックチェーンの思想について、重点的に説明しています。ブロックチェーンは仮想通貨で注目を集めた技術ですが、そこが本質ではなく、私たちの社会インフラを根本から変える、ダイナミックな思想であることがヒシヒシと伝わってきました。    IT産業の4種の神器として、「IoT、クラウド、AI、ブロックチェーン」が挙げられており、「IoTでデータ

          【なぜブロックチェーンなのか?】

          【失敗の科学①】失敗とどう向き合うか?

           自分も含めて、人は他人の失敗について、最もらしい単純な理由をつけて非難してしまいます。しかし、往々にして自分が失敗した時は、その失敗までの複雑な事情を理由に、言い訳をしてしまいます。  失敗には、あらゆる情報が詰め込まれており、学びの宝庫です。非難する前に、どんな複雑な事情があったのか、因数分解するマインドセットを持つようにしなければいけない、と常に自分に言い聞かせています。どうしても、自分の都合の良い方へ、単純で理解しやすい方へ、流されてしまいます。これは人間の性質であ

          【失敗の科学①】失敗とどう向き合うか?

          【ケーキの切れない非行少年たち】 反省以前の問題へのアプローチ

          本書についてケーキを切れない非行少年たち 宮口 幸治(著) 発売日:2019/7/12 新潮新書 【要旨】 筆者は、多くの非行少年たちと出会うことで、認知行動療法では対処できない「反省以前」の少年たちの存在が多いことが問題であると提案する。「ケーキを三等分に切る」ことすら出来ない非行少年の存在がリアルに描かれている。しかし、このような少年は特別でなく、「軽度知的障害」のくくりでは人口の20%弱が当てはまるとされている。本書は、この軽度知的障害に焦点を当てて、その存在の理解と

          【ケーキの切れない非行少年たち】 反省以前の問題へのアプローチ

          【推し、燃ゆ】 這いつくばりながら生きていく

          はじめに 第164回芥川賞に「推し、燃ゆ(宇佐見りん 著)」が選ばれたとのことで、数冊ほど、今まで読んだことのある芥川賞受賞作品を一気に読み返してみました。コンビニ人間、蹴りたい背中、限りなく透明に近いブルー、、、など。懐かしいです。いつか、感想が書ければと思います。  最近の文学作品を解釈することは、とても難しいと思います。なぜなら、私が生きている時代は「今」であって、時代の波に飲み込まれている当人であるからです。したがって、そのような作品を客観的に解釈することが難しく、

          【推し、燃ゆ】 這いつくばりながら生きていく