育休リアル 夫と1年仕事休んだら①

長男を出産したのは2021年秋、新型コロナウイルス流行のまっただ中でした。
ようやく授かった第一子。「成長を間近で見たい」と夫(30代)は1年間の育休を取得。私も保育園が決まらず最終的に1年半の育休を取得しました。
――という我が家の状況を説明すると「へー、旦那さんの会社は良い会社ですね」「給料大丈夫なの?」なんて言われることもしばしばです。
でも、このとき、我が家は親2人いなきゃ回らなかった…!!
以下あくまで個人の体験談です。
 
◆産後の体は本当にボロボロ
 私は長男を出産後、ひたすら体調不良に苦しみました。産後すぐに発症したのは、浮動性のめまい。何をしていても船に乗っているような感覚でとにかくつらく、脳神経外科に通いましたが3カ月ほど続きました。
また、分娩の際に尾てい骨を痛めてしまい、激痛で半年ほど普通に座れませんでした。左手首はけんしょう炎、右手首は手根管症候群と診断され、痛みとしびれでサポーターが必須。個人差があるので一概には言えませんが、私の場合、産後のダメージは想像以上でした。
全ての症状が改善するまでに1年近くかかりました。

 ◆「自分の時間がほしい」にモヤ
 そんな体調だったので、夫も家にいて子どもと二人きりでないことは救いでした。新生児は頻回に授乳が必要なので、自然と夫が家事、私が育児を主に担当することに。夫は実家暮らしが長く、結婚後は料理や洗濯、掃除など分担していましたが、正直手際はよくありませんでした。家事を終えて疲れてソファに座り込む姿を見て「申し訳ない」という気持ちがつのりました。
 でも、慣れていないのは私も同じ。生まれてすぐの子どもには大体3時間おきに授乳するのが基本ですが、その空き時間に休めるわけではありません。
泣き叫ぶ子どもをあやしているともう次の授乳時間。抱っこして眠ってくれたとしても、ベッドに寝かせると起きてしまうの繰り返し。眠る子どもを片手で抱えながら、スマートフォンで子どもの予防接種の予約をしたり、食材や生活用品をインターネットで注文したりして時間を過ごしました。
 実母や義母、妹が数日おきに手伝いに来てくれてそれなりに息抜きしていたつもりでしたが、お互いに限界だったのだと思います。
子どもがまもなく2カ月になるころ、夫が「自分の時間がほしい」と言ってきました。家事を終えた後、映画や配信動画を観たいとのこと。
「好きにしたら」と口では言いましたが、心の中にはモヤモヤが広がりました。私は夜に何度も授乳で起きないといけないのに。少しでも時間があれば寝たいくらい疲れているのに。めまいがひどくて映画なんか見ていられないのに。
それから、夫のささいな言動にイライラすることが増えました。疲れた顔をしているのを見るとイラッ。スマホをいじっているのを見るとイラッ。家事をしている姿を見ても「子どもが生まれる前からちゃんとやっていればもっと効率よく動けるのに」と手際の悪さばかり見てしまいました。
このころ、親子3人で近所を散歩するのが日課でしたが、夫と一言も会話せずに帰ってきたこともありました。今振り返れば、夫の気持ちも分かるしそんなに怒るほどのことでもないのに、あのときはどうしても許せませんでした。

続きます。

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