ロトルアのインド料理屋さん｜レッドウッドフォレスト｜ニュージーランド旅
ロトルアは、オークランドとはまた雰囲気が違い、背の高いビルがなく、空が広く感じられる。道路横の広い牧草地に数頭の馬が放されていたり、ディープな森があったり、すぐそばに自然がある。
夕方にAirbnb宅へ到着し、ホストの奥さんが手作りのケーキとお茶でもてなしてくれた。素敵なインテリアが置かれたリビングにも、とても癒された。
夜になり、近くのお店に夜ごはんを食べに向かうことに。近くと言っても歩いて30分ほど。５月はじめのロトルアの夜は、予想以上に寒かった。ホストの奥さんからダウンを借りて、なんとか外に出られる防寒を確保した。
「旦那さんと一緒なら、もしマオリが襲ってきても大丈夫だね〜」と言われて、どきっとした。
ロトルアは、先住民族マオリの文化が残る街。マオリが多く住んでいるらしい。マオリが襲ってくることがあるのか？ それとも冗談なのか？
しっとり雨の降るなか、人も車も通らない静かな住宅街を歩いていく。
マオリと会うこともなさそうで安心した。
お店が数軒集まっているような場所に着いた。営業している飲食店はイタリアンかインド料理かの二択。
店の前でうろうろしていたら、インド料理屋の店員さんが声をかけてくれたので、そちらに入店した。
店員さんもインド人のようだし、店内とメニュー表を見たところ本格的なインド料理が食べられそうな予感。
野菜ビリヤニとチキンとほうれん草のカレーを注文。
辛さのレベルは、「辛くない、普通、辛い」どれにするかと聞かれたので、普通でお願いした。
ひとくち食べて、辛さを「普通」にしてしまったことを後悔した。
辛すぎる….
辛いし、食べ慣れないスパイスの味が強い。
辛いのが苦手ではない夫も、ヒーヒー言っている。
辛さの奥にしっかりと美味しさがある。辛さに耐えて美味しさを探しながら食べているのが、だんだん可笑しくなってきた。
店員さんが「味はどう？」と聞きにきた。食べるのが異様に遅かったのが気になったのだろうか。
辛いですと正直に告げると、「作り直しましょうか？」と言ってくれた。
いやいやいや、「普通」の辛さを頼んだのは私たちだし、作り直してもらうのは申し訳なさすぎる。店員さんの優しさにうるっとしてしまう。
ほんとうに作り直してくれそうな雰囲気だったので「辛いけど美味しいので大丈夫」ということを全力で伝えた。
少し経って、また店員さんがやってきた。
「よかったら食べてみて」と、小さな茶色い団子のようなものをくれた。
ひとくち食べてみると、あたたかくて甘い。
長い間、口の中に甘さが続く。ほのかにスパイスの味もする。
ドーナツを甘いシロップに浸けたような。
これは「世界一甘い食べ物」といわれているものだと、何かで見たことがあったのを思い出した。調べてみると「グラブジャムン」という食べ物らしい。
辛さを中和させるために持ってきてくれたのか。その気遣いがとても嬉しい。
ビリヤニとグラブジャムンを交互に食べると、辛さが和らいだ。
甘〜いグラブジャムンは、こういう時に実力を発揮できる食べ物なんだなと思った。
人のあたたかい気遣いを感じられた、素敵なお店だった。
次にもし来ることがあれば、迷いなく「辛くない」を注文しようと思う。
＊ ＊ ＊
翌朝。気持ちのいい晴れ。
ビーガンの素敵な朝食とおいしいコーヒーを頂いて、ホストご夫婦との会話を楽しむ朝。
朝からのんびりと贅沢な時間を過ごし、少し遅めの出発。
これからレッドウッドフォレストという森へ向かう。
こんなすっきりとした綺麗なところに住んでいる人たちが羨ましい。
見たことのない木や花を見つけると、嬉しくなって写真を撮ってしまう。
レッドウッドフォレストまでたどり着いたが、広すぎて正式な入り口まで遠かったので、横道から中に入った。
中に入ると、空気がひんやりとして、すべてが整っているような感覚がある。そして空気がおいしい。地面はしっとりとしていた。
植物や木々から生命力を感じる。
木をさわって、たくさんパワーをもらった。
自然の中にいると、同じように歩いていたとしても、疲れを感じないのが不思議。
身も心も浄化されて、さらに元気になっている気もする。
30分ほどゆっくり歩き、入ってきたところとは別の道から森の外に出た。
この森のほんの一部しか歩いていない。地図で見ても、広すぎて全容が想像できない。
すこし散歩するくらいのつもりで来たが、もっと奥が気になってしまう。
もし近くに住んでいたら、毎日通ってしまうだろうなと思う。
森から出たところにバス停があり、丁度いいタイミングでバスが来たので乗り込んだ。
これから、いろいろなお店が集まるロトルアの中心街へ。
つづく。
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