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お前らは現実とゲームの区別がつかない

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現実を舞台にポイントを競うゲームにハマっていく少年たち。「こんなことになるなら、友だちなんて作らなければよかった……」
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#ライトノベル

1-8.「新入部員を連れてきたよ」

「新入部員を連れてきたよ」

 対馬は部室の扉を開けてそう言うと俺を見た。新入部員というよりはドナドナの子牛だけどな。

「難波じゃないか。おまえ、パソコン部に入るのか? それはリベンジに好都合」

「し、シイナ先生?」

 学園で数少ない聞き覚えのある声につられて、俺は室内を見る。縦四列に配置されたパソコンはざっと五〇台。そんな広い教室の一角にひとりの男子生徒とシイナ先生が座っていた。

 対馬

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1-7.「しかたないな。ちょっといいかい?」

「しかたないな。ちょっといいかい?」

 対馬は窓から離れると、すっと俺に体を寄せて耳元でささやいた。

「ワンオアとかワルプルとかドルオタ初心者。ちな推しはみくりん、あっつん、ラブリーロットンっす♥」

 胃に強烈なボディブローを叩き込まれた気がした。マジか。

「四月九日、一日目のワンオアのチケット譲ってくれる人、いたらリプください。ナポリトゥーン」

「みくりん、マジ天使♥♥♥ ↑握手した手

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