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夢の続き

ぼくはコルカタ駅にいた。異常に暑い。スマホの温度計は40℃を軽く超えている。駅には所構わず人や野良犬が寝ている。カオスだ。

これから寝台列車でバラナシに向かう。約12時間の旅。ぼくの席は3段式ベッドの一番上で天井には扇風機が取り付けてある。冷房はない。ベッドは軽めで適度なクッション感がある。思いのほか快適。

ゆっくり走り出した電車には当たり前のようにキセル乗車してくる人達がいる。さすがインド。

車窓からインドの景色を眺める。たまに見かける人は約14億人分のひとりなんだ。それにしては人影が少ないな。牛の方が多いんじゃないか。夕陽がとてもきれいだ。やがて日が暮れ、遠くに見える何かの灯りしか見えなくなった。ヒンドゥー教の聖地バラナシのガンジスを早く見たい。そんなことを思いながら眠りに就いた。

暑さで目が覚める。うとうとしながら止まっていた扇風機を付ける。再び眠りに就くと続きが始まった。

バラナシに到着。すでにあたりは暗かった。夜でも暑い。道は車、バイク、自転車、人でごった返していている。鳴り止まないクラクション。気が狂うほどうるさい。信号なんて見当たらない。カオスな光景である。

いつの間にか朝になっていた。細い路地を進みながらガンジスへ向かう。途中、牛の大群に出くわす。前に進めないほどの牛たちがこちらへ向かって進んでくる。牛をかき分け、牛糞を踏まないようにしながら進む。

ガンジスに近付くにつれ、露店が増えていく。ウッタパムとチャイでもいただこうかと思ったがやめておいた。ここはインド。食べ物や飲み物には細心の注意を払うようにと教わっていたことを思い出す。

ガンジスが見えてきた。どこかで見たガンジスの光景。沐浴をするひと、歯磨きするひと、洗濯をするひと、泳いでいるひと、クリケットをする若者、水牛もガンジスに浸かっている。火葬場へ薪を運ぶ船が遠くに見える。

近くにいた信者に声を掛けられた。お前もガンジスに浸かってみろと。聖なる河ガンジスとはいえ、インド政府が公式に危険と発表しているほどの水質であることはここでも忘れてはいなかった。公園の公衆トイレに入るのも若干躊躇ってしまうまぁまぁの潔癖症であるから。

散々迷った挙句、祈りを捧げながら頭のてっぺんまで3回浸かることを決めた。聖なる地に来たのだから。意を決しパンツ一丁でガンジス河に進む。ゆっくり右足を水面に近付ける。とうとう聖なるガンジスに身をささげる時がきた。

暑さで目が覚めた。扇風機のタイマーが切れていた。

鳥たちが会話していた。

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昨日こんな夢を見ました。いつかインドに行ってみたい。暑さとそんな思いが夢でぼくをインドに連れてってくれたと思います。残念ながらガンジスに浸かることはできませんでしたが。感動したのは夢の続きを見られたことでした。暑さで目が覚めて扇風機を付けた後に続きが始まりました。

睡眠中の脳は今まで見聞きした情報を整理していて、脳の中のライブラリーがその記憶をジャンル別に整理しているそうです。そのジャンル分けされたライブラリーに貯蔵された記憶を引っ張り出したりまとめたりして、その過程を脳の中で再生しているのがというものだそうです。夢をよく見ます。

夢でインドに行くことができました。いつかガンジスに浸かり祈りを捧げてみたいと思いました。いろんな面で勇気がいりますが。


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