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『ラッコのすべて』読了

初版は売り切れ続出し、見事重版出来となったムック本『ラッコのすべて』。ラッコブームの熱さを窺わせます。

私は発売後にネット書店で購入しようとしたのですが、どのサイトを見ても売り切れ。一縷の望みをかけて近くの書店に足を運ぶと、置いてありました。愛すべきは地域の書店。

A4版より少し大きいので見応え満点

巻頭グラビア ラッコの故郷

巻頭グラビアと言ったらムフフなあれしか思い浮かびませんが、この本で巻頭グラビアとして紹介されていたのは「ラッコの故郷」の写真。
アラスカやカリフォルニアの海でラッコたちが集団で集まっていたり、もふもふで寝ていたり、子育てしていたり。思わずニヤけてしまいました。やっぱりムフフなあれだ。

図解 ラッコのすべて

ここを頭に入れておけば、ほとんどラッコのすべてを理解したと言ってもいいでしょう。
ラッコの生息地・習性から脅威・保全、また水族館のラッコ史について、わかりやすく図を交えて解説。勉強になりました。
最近ラッコに興味を持ち始めたばかりの方は勿論、古参の方(?)にとっても体系的にまとめられているのは見やすいと思います。

ラッコに会える水族館

鳥羽水族館とマリンワールド海の中道について紹介しています。
勿論主役はメイちゃん、キラちゃん、リロくん!

ラッコたちの写真はもちろんファン垂涎。
ラッコたちの性格もそれぞれみんな違っていて、本当に愛らしくて思わずクスッと笑ってしまいました。
加えて、ラッコのプールやそこまでの道のり、園館にいる他の生きものたちにも触れていて最高です。初めてでも迷わずラッコプール前に行けます。
この本を事前に読んでいれば、メイちゃんキラちゃんやリロくんに会うのをもっと楽しめるはずです。

かつて両館にいたラッコについても、図表でわかりやすく紹介されていてとても良いです。こういうデザインのセンスが欲しい。

鳥羽水族館の『ラッコメモリアルBOOK with 鳥羽水のラッコたち』や、マリンワールド海の中道の『らっこ ~MARINEWORLD RACCO HISTORY~』があればさらに理解が深まるでしょう。参考書みたいに言うな。いや、ある意味参考書か。
どちらも今ではオンラインでは買えないようです。たぶん水族館のショップにはあるはず。某フリマには出品されてるかも知れませんが買わないようにしましょう。

日本の野生ラッコ

霧多布にいる野生のラッコたちについて、NPO法人 エトピリカ基金の片岡さんが撮影された写真がたくさん載っています。
今、北海道の道東でラッコの定着・繁殖が確認されています。それはすごく奇跡的で、すごく脆いものです。
全国から物珍しさに惹かれて観光客がやってくるようになりましたが、中にはルールやマナーを守らなかったり、ドローンを飛ばしたり大声を出したり船を出したり遊歩道から出たりする不届き者がいるようです。
ラッコはとても繊細な生きものなので、こういった行為によってラッコが沖の方へ移動したりもう二度と現れなくなる恐れがあります。やめてください。

霧多布のラッコについて、詳しくは『ラッコ 霧多布で生まれたA子の物語』を読むとさらに楽しめるでしょう。こちらはNPO法人 エトピリカ基金さんにメールでお問い合わせください。参考書です。

日本で初めてのラッコ飼育

伊豆・三津シーパラダイスでは、1982年に日本で初めてラッコ飼育が始まりました。特にオスのウィリーは30頭のラッコの父親となり、水族館のラッコ史を語る上で外せない存在です。
同館では2010年にラッコの飼育が途絶えましたが、今でも施設内にラッコの飼育史年表があるらしいです。一度訪れてみたい。
この本にもラッコ飼育の年表が載っているので、ラッコ史を研究したい方(ややマニアック?)には貴重な資料になるといえるでしょう。

総評+余談

ラッコに少しでも興味があればマストバイ。圧倒的買いです。
買って後悔はしないでしょう。もっとも、この記事をお読みくださる方はもう持っていらっしゃるかもしれませんが。


また、7月8日に『ラッコBOOK』という別のラッコ本が発売されます。こちらもラッコについて充実した内容になっています(たぶん)。早速予約しました。届くのが楽しみ。


以下、余談です。
私はかつて毎月のようにスマスイ(神戸市立須磨海浜水族園)に通っていたので、スマスイのこと(特にラッコ)についてまとめられた本があったらなあと思っているのですが、あまり無いのです。スマスイ発刊の60周年記念誌ならあるのですが。

そこで、私なりにラッコの飼育史年表を作ってみました。『ラッコのすべて』のフォーマットに従ってみました。

ずいぶんすっきりまとまったかなと思います。以前投稿した記事ではかなり長ったらしくなってしまったので……。

最近(2017年頃)までいたラッコについては、こちらの記事もおすすめです。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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