見出し画像

気持ちをカタチに

 明日は母の日。新聞広告に、2ページにわたる広告が出ていた。間の紙面を抜くと見開きになる、あまり見たことのない広告の形だったが、面白かった。
 使われていたのは、ちびまる子ちゃん。私が小学生高学年のころにテレビで放送が始まった。それまでは、漫画雑誌に連載されていたのを何となく見ていた。たしか、フツーの人のための、フツーのマンガ、みたいなキャッチコピーが付いていたと思う。私は、まる子ちゃんを自分に重ねて読んでいたと思う。まさか、こんなに長く見続けることになるとは想像もしていなかった。サザエさんのような長寿番組になりそうだ。
 まず、まる子ちゃんの横顔が目に入る。お母さんについて考えている。向かい側にいるのは、まるちゃんのお母さん。互いに思っていることが書いてあって、言葉ではなかなか感謝の気持ちを伝えにくいことが伝わってくる。
 近くて、何でも安心して頼める人はなかなかいない。何かあったときの「ありがとう」は言えるけど、いつもいつもありがとう、またはゴメンねの言葉は、改まって言うには恥ずかしいし、言葉にしても冗談っぽくなってしまう。
 母の日だけでなく、父の日もそうだ。母の日より、父の日の方が薄い印象が私にはあるが、父にこそ、なかなか思ったことが言えないでいた。父がいなくなり、父の日に何かプレゼントを選ぶこともなくなった。母、父にはいつまでたっても感謝していたい。母に会いに行く時、父にも挨拶し、父の日は仏壇に好きそうなお菓子を供えようか。母と、父の話をよくしよう。近くで聞いてくれている気がするから。
 その新聞広告は、ユニクロのものだった。ユニクロのサイトには、まるちゃんとお母さんが見つめ合い「ありがとうを贈ろう。」という印象深い一文が載っていた。気持ちをカタチにするのは難しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?