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嬉しいときの「エア二重跳び」

 年を重ねるにつれて、私が子供だった頃はこうだったなあと感じることが幾つか出てきた。
 他人と関わりたくない、という人が増えたように思う。小さい子供を見ると、知らなくても話しかけたり、それに笑顔で答える子供と親。危ないことをしたら、知らない子供でも叱りとばす大人。ところ構わず、自分の子供を大声で説教している親。子供の頃見た大人は、見かけなくなった。
 特に「子供っぽい子供」が少なくなっているように思う。外見もそうだし、大人しくしているので内面がよく分からないのだが、私が子供だった頃に見かけた、ある行動を見ない。それは、名をつけるなら「エア二重跳び」。
 とても嬉しいことがあって、一人で喜びを隠しきれないほど興奮したとき、ピョンピョン飛び跳ねる。飛び跳ねるだけでなくて、縄跳びの二重跳びの真似事を始める。嬉しすぎて、手を叩いたり、大きい声を出す以外にも表現したくて、二重跳びになるのかもしれない。私もしていた記憶がある。そして、知らない子が同じことをしているのを見て、何だか恥ずかしくなった覚えがある。
 子供の頃、ものすごく幸せで胸いっぱいな気持ちになった経験は、どれくらいあるだろう。1日1日が大きな出来事ばかりで、笑ったり怒ったり泣いたりを何度も繰り返していた時期。忘れてしまった事の方が多いだろう。
 子供達を見かけると、自分が同じような年齢だった頃を思い出す。子供にしか出来ないような感情表現を見ると、うれしい気分になる。子供のころに感じる事は、いつの時代も共通する何かがあってほしい。うまく表現できないけれど。

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