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門井慶喜「文豪、社長になる」感想~出版界の名プロデューサー菊池寛物語~

・169回「芥川賞「直木賞」候補作

出版界最大のお祭りといえば🎊「芥川賞」と「直木賞」
昨日(6/16)、第169回の候補作が発表されましたね📚

直木賞候補作は、
★冲方丁さんの「骨灰」
☆垣根涼介さんの「極楽征夷大将軍」
☆高野和明さんの「踏切の幽霊」
☆月村了衛さんの「香港警察東京分室」
★永井紗耶子さんの「木挽町のあだ討ち」


芥川賞候補作は、
☆石田夏穂さんの「我が手の太陽」
☆市川沙央さんの「ハンチバック」
☆児玉雨子さんの「##NAME##」
☆千葉雅也さんの「エレクトリック」
★乗代雄介さんの「それは誠」

★つけてる作品は既読済みでーす。

既読済の直木賞候補作、「骨灰」も「木挽町のあだ討ち」どちらも面白かった。
おぉぉー!高野作品がノミネートされているー!
新作、久しぶりじゃない?楽しみ♡

芥川賞候補は、感想は書いてないが、乗代さんノミネート作を文芸誌で読んでて、児島雨子さんノミネート掲載の文芸誌(文藝夏号)は、佐藤究さんの新作が読みたくて積んでるので、読んだらまとめて感想を書きますね。
お気に入りの石田夏穂さんも選ばれているので嬉しい♡

・ここで問題です

そのお祭り!!
祭りだ🥁祭りだ🥁
本に馴染みのない人でも知っているお祭りを創設した人はだーれだ!


答えは...うどんの国出身の菊池寛。

本書は、その菊池寛の半生を綴った物語。
秋元康にも負けぬ、出版界のプロデューサーだった菊池寛。

売れっ子小説家で、豪快で野心家で、アイデアに溢れているのに、どんぶり勘定で経営には向いてない!?

菊池寛が「ほっこ」(←讃岐弁でバカ)だねぇ~と、愛おしくなる一冊だった。

・簡単あらすじ

芥川龍之介や直木三十五、川端康成などの協力を得、菊池寛が発行した「文藝春秋」創刊号はたちまち完売する。読者が、時代が求めた雑誌は部数を伸ばし、会社も順風満帆の成長を遂げていく。
しかし次第に、社業や寛自身にも暗い影が。
芥川、直木という親友たちとの早すぎる死別、社員の裏切り、戦争協力による公職追放、そして、会社解散の危機……。

・なぬ!!文春砲のはじまりはあの人だったとはーー!


文藝春秋創立100周年記念の作品

菊池寛が文藝春秋を創刊したことは有名なので知ってたが、創刊した経緯が、らしくって面白い。

当時は若手だった川端康成らに自由に書かせる場を、売り込んでもやれる場を作ってやりたかった。

そうだ!自分で雑誌を作ればいいのだー!
思い立ったら行動するのが菊池寛。

はじめは雑誌とし創刊した「文藝春秋」

なぜ「文藝春秋」と名付けたのか?

春秋とはもともと季節の春と秋だったがものが、転じて歳月そのもの、一時代そのものの意味なった語であるし、文芸とは言語による芸術をさす。芸術であるからには時を超えることをめざす。その両語の合成語。(本文より)

なるほどと頷いてしまったが、今では「文藝春秋」といえば文春砲が有名よね。

なななんとーーー!( ˙0˙)オオォォ
文春砲って、創刊時代からあったとは驚いたYO!

その文春砲の前身である、作家の仕事や私生活を興味本位に露悪的に、あげつらう「文豪ゴシップ」を書いていのは!あの直木三十五だったのだ。


実は、「直木賞」にもなっている人だが、作品を読んだことがなくて誰?って感じな三十五ちゃん。
まじめな文豪だったんだろうと想像していたが...。

菊池寛もヤバいが、直木三十五ヤバい奴だったー( °ω°):∵グハッ!!

菊池寛同様に経営者であり何度も会社を倒産させるわ、金づかいが荒く生活もめちゃくちだったが、死に際まで筆を折らなかった。

早死した、友でライバルであった芥川龍之介と直木三十五。

二人との友情物語に読み応えありで胸アツになったのに、亡友を記念するするために、またそれを口実にして雑誌を宣伝するために設けた文学賞でもあったと描く門井さん目線。
やっぱり名プロデューサーだね、菊池寛。

・「芥川賞」「直木賞」受賞発表はいつ?

うどんよりビフテキが好き(←たぶん)大食漢な菊池寛も楽しみに待ってるであろう芥川賞と直木賞の発表は、7月19日。

私自身も、発表までに候補作を何作読めるのかも楽しみ。


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