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原田ひ香「一橋桐子(76)の犯罪日記感想~2025年問題を考える~

2025年問題。
2025年には、3人に1人が65歳以上で、
5人に1人が75歳以上になると予想される。


高齢化社会になるとは知っていたけど、
思っていたより早いわ(; ・`д・´)ナン…ダト!?

他人事じゃないよー。
遠いようで近いうちに私も仲間入りだもの。

そして、人生の三大不安
「病気」「孤独、孤立」 「貧困」だといわれている。

不安な気持ちは老若男女同じ。
でも老人になると不安の度合いが大きいように思う。

そこで本書は、コミカルな要素を交え、
高齢化社会になった時あなたならどうしますか?問う作品でした。

<簡単あらすじ>
両親をおくり、わずかな年金と清掃のパートで細々と暮らしているが、貯金はない。同居していた親友のトモは病気で先に逝ってしまった。このままだと孤独死して人に迷惑をかけてしまう。そんなとき、テレビで驚きの映像が目に入る。収容された高齢受刑者が、刑務所で介護されている姿を。これだ!光明を見出した桐子は、「長く刑務所に入っていられる犯罪」を模索し始める。

こころの支えだった同居人の友を亡くし、
住む家も変わらなくてはならない...。

だからって、いくらなんでも刑務所なんてー!
突拍子もないような考えだね...なんてことはないかも。
三大不安が襲い追い詰められたらわからなくもない。

大胆にも!?
万引、偽札、闇金、詐欺、誘拐、殺人...と関わっていく桐子さん。

桐子さんが関わろうとした偽札。
偽札が思っていた以上に大罪なことに驚いた。
偽札を作るということは政府にたてをつくこと。
お金は政府そのもので、偽札作りは国家転覆を謀っているのと同じなんだそうだ。
なるほどー。

犯罪に関わるたびに人にも関わる桐子さん。
人との出会いで桐子さんの考えも変わってくる。
罪を犯すということは信用を失うことだと気づくのです。
気づきの過程を、助け助けられての関係性で自然と見せる上手さ。

とにかく老人になると情報を得るのが疎くなる。
身近に誰もいないと尚更にね。
そこでセーフティネットの大切さを考える作品でもありました。

コミカルさの中に説得力もあって、読みやすく満足できる一冊でした。

#読書の秋2022 #一橋桐子 (76)犯罪日記

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