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『現代俳句女流百人』を読む。-桂信子-

『現代俳句女流百人』より、俳句を紹介する連載。
好きな句と作者を紹介したいと思う。

今回は、桂信子氏。


ゆるやかに着てひとと逢ふ螢の夜

桂信子

蛍のイメージと人と「逢う」イメージが合っている。

春愁もなし梳く髪のみじかければ

桂信子

俳句や和歌で長い髪の美しさを題材にした作品は多い。

だが、この句はそれを逆手に取った逆説の句。

手袋に五指を分ちて意を決す

桂信子

分つことと意を決すことの取り合わせは
相性が良いと思った。

手袋をする動作で、この後出かけるという行動も予想出来そう。

押入に使はぬ枕さくらの夜

桂信子

押入れという闇の中の枕と、華々しい夜の桜。
どちらも闇の中。

枕という日常と、夜桜という非日常の対比も感じる。

まとめ

ストーリー性のある俳句で、味わいと深みがある。

人によって読みが分かれるかもしれない。
(例)手袋をしたからといって出かけるとは自分は思わない。など。

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