『現代俳句女流百人』を読む。-野澤節子-
『現代俳句女流百人』より、俳句を紹介する連載。
好きな句と作者を紹介したいと思う。
今回は野澤節子氏。
選
神話的な擬人法。
天地の部分をあめつちと読ませる工夫も、厳かさがあって良い。
生活の一場面における切実さがある句。
本によると病気が回復した後の句のようだ。
その背景を加味すると、さらに切実に思える。
髪とさくらの取り合わせが、上品で良い。
赤ちゃんの、ものすごい握力を思い出す句。
赤ちゃんのグーの手に握られた、不思議に魅力がある。
「る」の多さが明るいリズムを生んでいて、上向いた気持ちが伝わってくる。
作者は五月もこけしも好きなのだろうなと思う句。
まとめ
作者は二十数年来のカリエスの治療を終えて、健康になった。
そういった背景もあり、
ちょっとした日常の句
(今回は髪を洗うなど)でも、
生きる事への喜びが表現されているように感じた。
最後までお読みいただきありがとうございました。 もっと面白い記事を書けるように日々頑張ります。 次回もお楽しみに!