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【酷評】劇場版ブルージャイアントが何故滑っているか【ネタバレ】

ネタバレを含み酷評していきますので、苦手な方は見ないでください。

あの感動大作ブルージャイアントが劇場版になり、音楽と動きが加わってどれだけ素晴らしい作品になるのか楽しみで観にいきました。

どーーーしたもんかこれは酷い作品だ
映像が駄目、音が駄目、脚本が駄目

突っ込みどころが多すぎてどうしたものか
映像化作品の中でも類を見ない酷さだ

評価としては40点
(ちなみにトップガンマーヴェリックは97点)

その日の公開が9:45 14:00 20:00の三本で、20:00からの上映を観た
チケットを買おうパネルを見ると、一席しか売れていない
マジかよ
そのあと親子が二人入ってきて計4人での鑑賞となった
あれれれ、ブルージャイアントってそこまで人気じゃないっけ、そこまで遅い時間じゃないし、、、

こんな面白い作品はないのに、みんなモノを知らないなぁ
と思っていたのが、その後見事に裏切られるとは

劇場に来ない人たちが正しかった

順に解説していく

劇場版ブルージャイアントでは東京編が描かれている。
冒頭、猫が雪の中を真っ直ぐ進んでいく所から始まる
そうこれこそがブルージャイアントの主題である
妥協を一切許さず、自分の信じた道を歩む孤独を表す
おお!素晴らしい!もう泣きそうだ。

東京へ夜行バスで向かう大
え、、、独立三列シートですか?
大はお金があったら音楽に使いたいのでは?
事実、その後は玉田の家に居候するわけである。
そんな大が安い4列シートより快適さを求めて高い独立三列シートのバスに乗る?作品を噛み砕いていたらあり得ない解釈だが、、、まぁここは大きい兄ちゃんなど家族が用意したのかも、、と思いながら。
脚本が駄目①


東京に着き、雪祈と出会う
んんんんん?モーションキャプチャー滅茶苦茶キモくないか!?!??
3D素体の球体関節人形感が凄い、肩幅が広すぎで三角筋がもりもりでアスリートみたいな身体してる
あ!これSLAM DUNKだ!!!!!
ちゃんと人の動きをしているのに、ロボ感が出てしまう「不気味の谷現象」が起こってしまっている
これはマズイ
その後も演奏に関して手書きのアップと3Dモーションキャプチャーが交互に入れ替わる気持ち悪さが続く
映像が駄目①


初心者玉田がバーテイクツー練習に加わる
ここもちょっとまずい
「本当に下手くそ」「じゃない」のだ
ドラムができる人が無理やり外した音がする
それがなんとも不快で劇場を出ようと思ったほどだ
音が駄目①


そーーーれーーとーーー

サックスの音が弱いねん!!!!!


大のサックスは身体を震わせる音圧が売りだろ!!
家で観てるんじゃなくて、劇場で見てるんだから限界値まで
「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」評価2.3/5 映画ドット・コム
音が駄目②


3人で初めてライブするシーンは良かった
まじでこれがなくて10分くらい続いていたら帰っていたかも
相変わらずモーションキャプチャーはキモいし、音は小さいのだけども


柴又ライブフェスも酷かったなー
JASSが登場して、大がデカい音をかますシーンだが、吹き出した2秒後に玉の汗をかいてるのだ
それは無いだろ
大は肺活量鍛えてるんだから
映像が駄目②

あと観客が涙ぐむシーンを映しすぎ、それは演奏を聴いたこちらだから
なーんかお涙頂戴なきがする
漫画版では「間」として観客が驚いたり感動するシーンがよく描かれるが、それをそのままま映像でやっちゃ駄目だろ、素人じゃないんだから
映像が駄目③

3人の出会いからソーブルー決定まで、全てのエピソードを詰め込んでいるので、一つ一つが駆け足すぎて「浅く」感じるんだ
漫画だと困難を努力によってクリアしていて、サクセスストーリーになっているのに、駆け足だから努力の跡が見えない。ただただ運がいいように見える。
脚本が駄目②

あーーーとコンプラの問題もあるのだけど、飲酒シーンがない
当然未成年の話なので、現実では飲んじゃ駄目なのだが、jazzと酒は切っても切れない関係だし、アニメの中の話なんだからいいだろと思う。
脚本が駄目③

ここら辺も覚悟の無さを感じる、だって全年齢対象の漫画では描いて、映画では描かないわけ?
自分が作った表現物だろ
妥協すんなよ!!!!!!!


雪祈が連れてきたドラムが日和って帰っちゃって、覚悟を持った玉田がドラムに跨がるシーン
普通の大学生である玉田がドラムをやるんだという「覚悟」を表すいいシーンだと思うんだけどカットされていた。残念



はい、ここから最大のネタバレです





雪祈、事故後も復活してソーブルーに立ちます



はぁ?!?!!?!?!???

はいっ、クソー

大ブレしたね
当時もソーブルーライブ前夜に事故って指がクシャるのは衝撃的で批判的な声もあった。

しかし忘れてはいけない
ブルージャイアントの主題は
妥協を一切許さず、自分の信じた道を歩む孤独を表しているのだ
それを大衆の批評を気にして、柔和な方向に改変(改悪)してはいけない

最後の最後で、糞にゲロをトッピングした感じ


漫画版では、雪祈は事故前にヘルプとしてソーブルーに立つわけだが、劇場版では姉妹店のコットンになっている
なんで?なんの意味がある改変なの?

漫画版→ソーブルーに一度でも立てたので悔いはない
劇場版→ソーブルーに立つまでは諦めない
ということにしたかったのかな?

でも、雪祈が命に変えてもソーブルー立ちたいという気概みたいな表現がないし
雪祈がソロで「音楽と繋がる」のは初めて上がるソーブルーのステージだから意味があると思う
最初で最後の輝きだったから美しかったのだ
それを再度ソーブルーに登場させたら、それこそ「二番煎じ」だし、事故らせる意味がまるでない

酒は飲ませないのに、トラックに轢かれたあと半日で退院させるのは倫理的にアリなの?

あと夜逃げした女の子、会わせなきゃ意味なくない? 

なんで由井先生も大きい兄ちゃんも見に来てるの?誰が呼んだの?


はぁー、突っ込みどころが多すぎて疲れた
あと細かいところで雪祈の部屋でカラーボックスからでている本の作画が透視図法的にありえない形をしていた


ソーブルーアンコールで、復活してきた雪祈とJASSとしての最後の演奏が始まる
玉田のドラムが作画がやばい
ここだけモーションキャプチャーじゃなくて手描きなのだ


正直えぐい
めちゃリアル
凄い枚数描いてる
でもここが凄すぎる故に、今までの壊れた玩具みたいなモーションキャプチャーは何だったんだと思ってしまう

ここが40点の半分ほどを占めます

3人の演奏が「音楽に繋がり」始めると、背景が宇宙っぽくなっていって現れるのが↓

 ブラックホールじゃねーーーか!!

え、、俺が観ていたのってブルージャイアント(青色巨星)じゃなくて

ブラックホール

だったの?!?、?。!?!

もう本当にいよいよ分からない
エンドロール3分前である

なんなの?製作陣は漫画の解釈がどうでも良くなってしまったの?
でもその後にお得意のインタビューが入って由井先生が「あの時の音は青かった(ブルージャイアントだった)」っていうんだよね

意味わかんねーーー!!!!、



総評
クリエイターとして妥協を一切許さず自分の信じた道を歩む孤独を描かず、大衆のご機嫌を伺い、ブレブレの浅い脚本をしてクソみたいな仕上がりになったのがこの作品である
漫画を読んでほしい

劇場版は画の他に色と音と動きが加わるわけで、絶対に漫画以下であってはいけないのだけども、ここまで下回るのは本当に珍しい

時間の制約や予算の問題があるのかもしれない
でも妥協すんなよ!!!!!
もっとエピソード削って粗々でも本質を残せよ!!!!!

やっぱ漫画って凄いなと思う。
脳内でコマとコマの間の動きを補完し映像にし、文字から声も音も温度も感じたりする。
そういう意味だと、「僕のヒーローアカデミア」はアクション漫画のなかでも動きが補完できず読みにくいことこの上ないクソ漫画の一つだが、それはまた別の機会に

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