【失われた友情】断絶した世界でつながりを再発見する13の手法|恋愛にも応用可
「友達がいない!」ってのは現代の大きな問題の一つで、アメリカでは「friendship recession(友情不況)」なんて言葉もあったりします。要するにここ30年くらいで友達の数は減っているし、さらにその数少ない友達と一緒に過ごす時間も短くなっているぞ!って話ですね。
この傾向はほかの研究でも同様に確認されておりまして、「10人に4人のアメリカ人が親友がいないと答え1990年の25%から増加した」というSurvey Center on American Lifeによる2021年の調査や、「職場に親しい友達がいると答えたのは10人に2人程度だった」というギャラップ社の調査なんかが有名どころでしょう。
まあそう聞いても別に「ただ友達がいないだけなら問題ないのでは?」と思うかもしれませんが、最近のMeta-Gallupの調査なんかを見ると
世界中の成人の24%が "かなり孤独 "を感じていた!
なんてデータがあって、「一人が好きだから」で片づけられる程度はとうに越していることがわかるでしょう。また、人生レベルで見ても友達の数は圧倒的に少なくなっていて、2,000人の男女の社会生活を追跡した研究によると、以下のようなことが分かったらしい。
人生全体で「友達」と呼べる人は平均29人しかいなかった(当然オンラインも含む)
しかもそのうち数年単位で長続きする友達は平均6人しかいなかった(ちなみに連絡を取らなくなる理由はお金関係のトラブル、嘘をつかれたなどがあるが、半分程度は本人も分からない)
また、Facebookの友達については、平均5人に1人程度しか本当の「友達」だとは思っていない
29人ってのは確かにかなり少ない感じがしますが、思い返してみれば「意外とそんなものかもなぁ。。」と思う方も多いかもしれないですね。
で、孤独(感)が心身に及ぼすダメージが甚大なのはご存じの通りで、免疫系が強固になり病気にかかりにくくなったり進行が遅くなったり、さらに孤独が認知症の強力なリスク因子になるなんてデータを耳にしたことがある方もいるかもしれません。となると「友達」がこれらの予測因子として働くと考えるのも当然で、実際友人関係は様々な健康や幸福上のメリットと関連することが示されてきております。
例えば50歳以上の成人約13,000人を4年間追跡したミシガン大学の研究によると、
夫婦関係や親子関係とは無関係に、良好で頻繁に交流する「友人関係」を持つ人は、死亡リスクが24%、脳卒中リスクが19%、うつ病のリスクが17%低かった!
って結論が得られております。しかも面白いことに彼らは喫煙の可能性が43%、酒を飲みまくる可能性が48%も「高かった」んだとか。つまり、喫煙や大量飲酒によるダメージを相殺しても余りあるパワーが良好な友人関係には秘められているんじゃないのか、と。早死にリスクがここまで減らせるってのはかなりすごいんじゃないでしょうか(タバコミュニケーションを正当化するためにこのデータを持ち出す人がいるらしい)。
また、職場における友人関係もかなりのポテンシャルを秘めておりまして、最近のギャラップ社のデータによれば、職場に親しい友達がいる場合、
顧客や社内パートナーとの関係が深まる
短時間でより多くの仕事をこなせる
ミスに対してオープンになり、いわゆる「心理的安全性」が高まる
斬新なアイデアを考え、共有する
仕事を楽しんでいる
自身の職場を推薦する可能性が高い
退職意向を抱く確率が低い
職場に対する総合的な満足度が高い
といった傾向が認められていて、結果的に、収益の増加や大きなミスの減少などビジネス的な面でもメリットは大きいみたい。しかもその影響はパンデミック以降さらに顕著に確認されるようになっているようで、「友達」の存在の重要性は改めて再考する価値のあるトピックではないかと思うわけです。
そうはいっても「友達作りがムズい!」ってのは痛いほどよくわかるところ。特に私たちのような内向的な人間にとっての難易度はかなり高いでしょう。そこで今回は友達を作るための「テクニック」をいくつかまとめてみます。この文脈で「テクニック」とかいう言葉を使うと抵抗感を抱く方もいるのは存じ上げてますが、いくら仲良くなりたいと思っても「どう距離を詰めるか」という手法を身に着けてないと気持ちだけじゃどうにもできないケースも多いですからねぇ。しかも本当に仲良くなりたいならその相手の情報を事前に調べておくのと同じように(What)、どう仲良くなるか(How)も準備しておくべきなのでは?とか思うわけです。まあ結局のところは友達の作り方なんて個人の自由だし、以下の内容も各自でアレンジしていただくべきだろうとは思いますが、何らかの参考になれば幸いでございます。
友達作りのコツ①:必要な時間を考え直すべし
ここから先は
¥ 500
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?