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不機嫌な人とご機嫌伺い屋

虫歯になると歯医者に行って治療します。歯が痛くても痛み止めを飲み続けて治療と言い張る人はいないはずです。だけど不思議なことに「自分の機嫌」になると、「ご機嫌伺い屋」という痛み止め(正確には痛みそのものを出さない)を飲み続けて生きる人がいます。

「ご機嫌伺い屋」は常に誰かの機嫌を損ねないようにびくびくしています。小さいころから親のご機嫌を伺っていた人ならば、成人している時にはもう無意識でやってしまっているかもしれません。

「自分の機嫌を自分で取れない人」はこうして言葉にしてみるとなんて幼稚な人なんだと思うかもしれませんが、今の世の中案外いるものです。機嫌が悪くなると、周囲に「機嫌を直させる」までキレる人のことです。

親がこの「自分の機嫌を自分で取れない」タイプの場合、子どもは「ご機嫌伺い屋」になってしまいます。理由は言うまでもありません。生きるために必要なことだからです。悲しいことに、そういうタイプの親は親の言うことを聞いていくれる「いい子」だと思ってしまい、気づいていないパターンが多いです。

そういう環境で育った子は

〇「自分が何がしたいのか」分からない。普段の生活の中での優先順位が 自分<ご機嫌取り となるため、自分の価値が低く思ってしまう(≒自己肯定感が低い要因)

〇怒られ耐性が著しく低くなる。自己肯定感が低くなるため、一度怒られると過度に反省・自責する傾向があり、致命的なダメージになる。

〇失敗を極度に恐れるようになる。自分の失態が親の機嫌を損ねる原因になることが多いため、失敗に対して過度に敏感になり、ここぞという時にひどくナイーブになる傾向がある。

ざっと、こんなもんでしょう。もちろん、その人の生まれて持った性格や気質もあるとは思いますが、後天的な要因が案外ウェイトが大きいことは知られていないものです。これらの性質を持ってしまうと、進路の選択時期や新社会人として働きだしたりするときにすごく辛かったりします。

冒頭でも言いましたが、自分の機嫌は自分で取れるようになることは重要です。特にお子さんがいる世代には必須と言っても過言ではありません。

気を付けていきたいものですね。



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