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パディントン発4時50分を読んで(2023,10,18)

こんばんは!アロマに癒されながら秋の夜長を感じているももこです。

今週読んだ一冊は、アガサクリスティの『パディントン発4時50分』です。
初めてのマープルシリーズを読んでみました!!

心に残った文↓
「あの日に何をしていたのかは言えませんが」彼は言った。「何をしていなかったのか」は言えますよ。長納屋で人殺しをしていなかった」

パディントン発4時50分

レディ・アリス・クラッケンソープはなにも答えなかった。おそらく彼女の人生の問題は、時間を浮かせることではなく、時間を埋めることなのだろう。彼女は礼儀正しく夫の体調を訪ねた。

パディントン発4時50分

「問題はね」ミス・マープルは言った。「欲ですよ。欲張りな人がいる。たいていはそんなふうに始まるの。殺人から始まるんじゃないの、最初は殺人なんて考えもしない。ただ欲張って、もらえるものよりよけいほしいと思う、それが始まりなのよ」

パディントン発4時50分

感想🌸
ポアロは知っていたけれど、マープルの探偵小説は初めて読んだ!ミステリー好きのおばあさんミス・マープルが買い物帰り、電車での中から、対向車線を走る電車の車内で人殺しがなされている瞬間を目撃する。
その死体は列車から外に捨てられたと感じたマープルは、友人をつかって死体が捨てられたと思われる付近にある、その雄大なお屋敷に住みこませ、謎解きを依頼する。
そんな物語の始まりから、イギリスの大きなお屋敷・列車・対向車線・殺人・なにもかもワクワクする始まり方だと思った。
本人は殺人事件の解決に直接関与するのではなく、敏腕主婦である友達のルーシーに依頼するところも面白い。「ほら、ルーシーがいるじゃない!」と思い返すシーンが面白かった。
ルーシーはおまけに優れた美貌の持ち主で、そのお屋敷(クラッケンソープ家)で遺産相続でやきもきしている息子たちを翻弄する。
遺産の取り分で日々ぎすぎすしていたところに急に家政婦として住み込み、案の定その長納屋で死体を発見するのだが、あくまで「家政婦」という凄腕キャリアウーマンをこなしながら殺人事件を解決し、マープルに状況を教えるのがかっこいいと感じた。
登場人物の性格が事細かにえがかれているアガサクリスティのお話は面白いし、人間の人間らしい本質をここまで目を凝らして描くことができるのがとても観察力があると思った。
膨大な遺産を目の前に、人はどこまで堕落することができるのか。そんな遺産相続ミステリーを読みたいと思った方は、秋の夜長にぜひご一読くださいませ。

それでは、おやすみなさい。

ももこ。

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