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5匹の子豚 アガサ・クリスティー (2023.5.12)

こんばんは。最近新しいことを始める決意ができたももこです。

今週読んだ一冊は、『五匹の子豚」著:アガサ・クリスティ

印象に残った言葉↓


「いえいえ、人の心というのは、時間がたつにつれて、重要なことだけを残し、どうでもいいことは忘れてしまうものです」

『五匹の子豚』

「いつも感じていたことだが、自分が何をいっているのか、エルサも本当はわかってなかったのかもしれません。本で読んだことや、友達からきいたことを、オウムみたいにくりかえしていただけでしょう。こんなこというと変だが、なんとなく哀れを誘う子でした。若さにあふれていて、自信たっぷりなのに」

『五匹の子豚』

この障害を抱えて長年生きてきたため、いまのアンジェラはそれをまったく意識していないように、ポアロには思われた。また、調査のなかで彼が関心を持つに至った五人の関係者のうち、最高に恵まれた条件で人生のスタートを切ったものがかならずしも最大の成功と幸福を手にするとはかぎらないことに、ポアロは気がついた。若さと美貌と富のすべてに恵まれていたはずのエルサが、いちばん不幸な人生を歩んでいる。

『五匹の子豚』


感想↓
アガサクリスティにハマりたいと思い、66冊もある探偵小説を1冊ずつ読もうと努力しています。
中でも、この小説はとても面白い作品だった。有名な画家であるエイミアル・クレイルが殺されてしまい、その妻が無実なのにかかわらず獄中で死亡する。その娘が事件の再調査をポアロに依頼するところから物語は始まるのだが、まず始まり方がかっこいい。
ポアロの、「それは16年前に戻らないと真相はわかりません」的なことを言って、エイミアスをとりまく5人の関係者(親友、親友のお兄ちゃん、家庭教師、などなど)から当時の証言をもう一度聞いて回るというストーリー。
途中から、落ちを想像してみたりしたけれど、最後の最後に2回も3回もどんでん返しがありとても面白い作品だった。
この小説はインスタで誰かに紹介されて興味を持ち本屋で購入したもの。
映画も見たのだが、全体の音楽が切なくてとても寂しい気持ちになった。
エイミアスが重要視していたもの、愛人が重要視していたもの、亡くなった妻が大切にしていたもの、それぞれがすこしずつずれて起こったこの事件は、だれが悪いわけでもなく、一人の犯人に絞ることが難しいのではないかと感じた。
殺人にはそりゃ犯人がいるのだけれど、この作品はその犯人にも同情してしまうような読了後の無力感がありました。
誤解から生まれた殺人事件でもあるし、もうすこしお互いがお互いのことを考えていたら怒らなかった事件というか・・
これ以上言ってしまったらネタバレになるかもしれないけれど、とにかく最後まで読み応えたっぷりな面白い作品だったと思います。
次はABC殺人事件も読みたいし、読みたい本がいっぱいだー

2023.5.12 書す

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