奥井 貴仁

愛知県公立小学校教諭。教育サークル根っこワーク代表。授業づくりネットワーク理事。「未来…

奥井 貴仁

愛知県公立小学校教諭。教育サークル根っこワーク代表。授業づくりネットワーク理事。「未来を幸せに生き抜く力」をつけるために、サークル対話やクラス会議、自由進度学習に取り組む。答えのあるパズル型ではなくレゴブロック型の学級経営を。趣味は,ハンモック、ギター、ビール、ランニング、釣り。

最近の記事

「別れの言葉」に向き合うことで

2/15 卒業生の別れの言葉。感動しないとまでは言わないが、味気ないなと思ってしまう。きっとそれは、その台詞に子どもの思いが入っていないからだ。これまでの定型文があり、その一部を今年度用にアレンジする。そこにどれだけの思いを込めれるのだろうか。ぼくはそれが嫌で、今年度は「別れの言葉」を一人ひとりに作らせることにした。6年間をふり返り、最も伝えたいことをまとめるのだ。 最初は、字数制限なく思っていることを書く。次に66文字にする。子どもたちはそれなりに頑張って要約する。だか

    • どちらが「くじらぐも」に見えるでしょうか

      給食時間のことです。窓の外を見で驚きました。その雲が「くじらぐも」に見えたのです。なかなか見ることのない形。そして、1年生の教材にもなっている雲に、思わずシャッターを切りました。 「くじらぐもがあるよ」と皆に伝えると、窓に近寄り、「あ、本当だ!」「すごい」「懐かしい」という声が挙がりました。「場所も伝えていないのに、みんなも『くじらぐも』に見えるということは、本当にそっくりなんだな」と嬉しくなりました。しかし、子どもたちの見ている方向は、ぼくのそれとは違っていました。「いや

      • 静寂の中で、バッと立った彼

        2/16 自由進度学習でのことです。子どもたちの様子を眺めていると、どうも集中し切れていません。その姿に、「これでは取り組む意味がない」と感じ、自分の席に戻るように指示しました。それから、チャイムが鳴るまでの10分間は一人で学習しました。 2時間目のこと。作文の清書とパワーポイントの発表練習の時間としました。「何か質問はありませんか?」と聞くと、「自由進度学習のように、自由に学び合っていいのですか?」とありました。「できますか?」と問うと、「・・・」。誰からも応答がありま

        • 少し違う見え方になりませんか?

          子どもの言動がおかしい。保護者のクレームが重なる。2月はそんな時期です。そして、それは心が不安定だから起こることです。 裏を返せば、この1年間が楽しかったのです。居心地が良かったのです。だからこそ、その環境も残り30日で失われることに不安を感じている。そんな風に思うと、少し違う見え方になりませんか? この時期に絶対にしてはいけないこと。それは、子どもが、保護者が、担任である自分がと、誰かのせいにすることです。 今日の保護者とのやりとり、本当に苦しかった。

        「別れの言葉」に向き合うことで

          続けることで一番変わるのは教師

          2/9 何か実践をする時、続けることで一番変わるのは教師です。続けることのできない人は失敗の原因を子どもに向け、続けることのできる人は自分に向けます。これが大きな要因だと考えています。 ぼくは、クラス会議を続けてきました。続けたことで、「もっと知りたい」「もっとよくしたい」「そのために学びたい」「そのために子どもに聞こう」となりました。ぼく自身が変わろうとしていることに気付いたのです。 この経験は、ぼくにとって大きな学びとなりました。

          続けることで一番変わるのは教師

          第14回クラス会議を終えて

          2/1 第14回のクラス会議。驚いたことは司会者でした。テンポがよいのです。「では、ペアで相談をしてください」。「時間になったよ。輪番で意見を言っていください」と。このテンポは「間」の取り方がうまいからです。発言者に対する、聞き手の反応を少しだけ受け取り、次の発言者をすぐに指名する。活動後の子どもたちの反応を少しだけ眺め、次の活動に移る。なかなかできるものではありません。司会者が作ったこのテンポが、よいクラス会議の雰囲気を作り出しました。 さすが、10月からリーダーとして

          第14回クラス会議を終えて

          3学期は0学期として…??

          1/7 「来年度はひとつ上の学年です。だから3学期は0学期として… 」と伝えることに違和感があります。次の学年を意識させるよりも、9ヶ月の成長を確認し共有する。そして、その力を発揮させたいです。3月には「成長したよな」「楽しかったな」と達成感を味わうことの方が大切だと考えています。 だから、3学期始めの成長ノートは、どんなことができるようになったのか。どんな力がついてきたかを、ふり返るところから始める予定です。 0学期を意識するのは教師だけでよいと思います。

          3学期は0学期として…??

          日頃の授業を心掛けるだけ

          1/5 研究授業は緊張します。大勢の人が観に来るのだから仕方がありません。でも、それを少しでも緩和したいと思うなら、日頃の授業を大切にするべきです。いつも通りにやればいいのです。授業の5分前に着席させたり、いつもしないようなツッコミを子どもにしてみたり、服装を正装に変えたりしないことを心掛けます。如何に、昨日と同じようにするかが、緊張しないコツだと考えています。 日頃の授業を心掛けるだけで緊張は緩和されます。しかし、研究授業は提案が大切です。その時だけの、その日初めてのこ

          日頃の授業を心掛けるだけ

          クラスの自慢②

          国語の「対話の練習」。 練習のためにと「3年1組の自慢」をテーマにした。 あれから2ヶ月。 学習発表会後に、もう一度話し合いをした。 楽しそうに話し合う姿。 「おくちゃん!96個も書いたよー」と。あの時は、多いグループで50ほどだったが、90を超えたか。自分たちのよいところを見つけることができるようになってきた。よしよし。 次は2ヶ月後。終業式のあたりだな。どんな変化があるか楽しみだな(^^)

          クラスの自慢②

          第10回クラス会議を終えて

          今回の相談者はある男の子。内容は、「弟にレゴブロックをこわされる」という悩みでした。いつものように質問し、解決案を考えるための情報を聞き出します。その後は相談タイム。そして、輪番で解決案を出していき、フリートーク。最後に、相談者の彼に、「やってみよう」と思うものを選んでもらいました。 9月8日ぶりのクラス会議は、一か月前よりも格段に良いものになっていました。僕はその姿を見て、心から嬉しい気持ちになりました。きっと、運動会を通して「力」をつけたのだと思います。それが、今回のク

          第10回クラス会議を終えて

          なんであんなにこだわっていのだろう

          「1秒で立つ」とか「給食の準備を7分以内」などにこだわっていた2年目。 なんであんなにこだわっていのだろう。 確かに、やれないよりはやれたほうがいいし、その過程にこそが成長なのだとは思うが。 きっと、技能レベルを目指していたんだろうな。今は技術レベルで十分だと考えている。

          なんであんなにこだわっていのだろう

          クラスのみんなで大笑いする時間が大好き

          10/21 国語は「修飾語を使って書こう」という単元に入りました。ここでは、修飾語の意味や、それを使って文を書くことをしていきます。その第1時です。 ーーーーーー 「おくいは、走った。」これでは情報が不足しています。質問をして、僕から情報を聞き出してください。 ーーーーーー この言葉から授業を始めました。 「どのように走ったのですか?」「ゆっくりだよ」。 「いつのことですか?」「昨日のことだよ」。 「どこで走ったのですか?」「家の前だよ」と答えていきました。 「お

          クラスのみんなで大笑いする時間が大好き

          よかれと思って使っていたが

          「あっという間の半年だったね」 「この半年で、更なる成長のために頑張りましょう」 「毎日一歩ずつやっていこう!」 こんなにも「聞きたくない」と思う日がくるとは思わなかった。 何でだろう。 どうして自分の中に入ることを拒否するのだろう。 こういった言葉を使ってきた僕が、これだけ毛嫌いする理由はなんだろう。 んー。 少なくとも、よかれと思って使っていた僕の考えに、待ったをかけた。

          よかれと思って使っていたが

          意図的に「量感」を鍛えるようにしています

          算数の授業で、「ピッタリ1㎏を作ろう」というゲームをしました。最初に、文房具や教科書などを使って1㎏を作ります。それらをビニール袋に入れます。そして、それを参考にしながら、「ピッタリ1㎏」を作るという内容です。 子どもたちは、こういった活動型ゲームは大好きです。説明をした後の表情は、とてもニコニコしていました。そして、「早くやらせてほしい!!」という気持ちが伝わってきました。「よし、みんなで中庭に行くぞ!」と伝えると、子どもたちはあっという間に教室を出て行ってしまいました。

          意図的に「量感」を鍛えるようにしています

          ここが、大きな違いなのだろう

          10/4 5時間目の国語。3年前にいっしょに組んだ彼女が参観に来てくれた。1週間前に「話し合いがうまくいかなくて。奥井先生の授業を見せてほしいです」と声をかけてくれたことがきっかけだ。 その日のうちにフィードバック。「どうだった?」と聞くと、「私は『話し合い』を深く考えすぎてました」と。「どういうこと?」「話し合いをするって、グループで話し合いをさせて、新しい考えを創造して、それで授業を作っていくイメージがありました。でも、奥井先生の授業を見て、そうじゃないんだって気付き

          ここが、大きな違いなのだろう

          僕はもう古い人間なのか

          9/30 今年度の運動会も面白くなかった。コロナ前は、もっとゆとりがあった。リレーの補欠メンバーと先生チームでエキシビジョンを行なったり、代表つなひきがあったり、騎馬戦があったり。お弁当を食べながら、「もう準備にいかなければいけませんね」なんて、同僚との会話も楽しかった。子どもたちだけでなく、先生たちも楽しんでいたように思う。そんなことを知っているものだから、ワクワクもドキドキもなかった。 ゆとりも隙間もないスケジュールで淡々と取り組んだが、子どもたちは楽しんでいた。学級

          僕はもう古い人間なのか