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日焼けマッチョ。

昼休憩で、芝生のある公園へ行くと、マッチョで色黒の男性が、黒い短パンだけの姿で、日焼けをしていた。
ベンチに浅く座り、身体をさらけ出し、日光を受け止めている。

秋。

公園は、その男性しかおらず、僕はここにいていいのか戸惑うほど、男性から、「ここは、俺の場所だ」オーラが漂っていた。

僕は少し離れた場所に座り、スマホをいじっていると、結構な割合で蚊が飛んできた。
ぺちぺち叩きながら、いっぱい刺されている。
「……」
あのマッチョの人は蚊に刺されないのだろうか?
それとも、蚊なんかにも負けない、男気で「俺の場所だ、文句あるか」と主張しているのか?
逆に、蚊に向かって、「俺の血を吸え」とさらけ出しているようにすら思えてくる。

「……」
うるさい。存在が。
この公園で、二人だけ。異常に「何か」を押されている気分。

と、幼稚園の集団が先生に引率されて公園へ入ってきた。
わー、きゃー、「はい、お行儀よく遊びましょう」と先生。
園児が芝生に駆け出し、縦横無尽に暴れだす。
キャッキャキャッ。
マッチョの人の周りでもお構いなしに走り回る。
気にしないを装いながらも、「存在」が脅かされているのが伝わる。
世代交代が行われようとしている。
「……」

世界は常に変化している。
僕はぺちぺち蚊を叩き、平和だなぁと、公園を後にした。

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