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震える。悪い震えではなく。
心震える夜。
悪い震えではなく、どちらかと言えば、喜び。
僕は、もっと、言葉を楽しんでいいのではないかと思えた夜でもある。僕だけの気づきがあり、そして、そのことに対し、単純に楽しんでいいと思える夜。
それは孤独なことなのだろうか?
いや、孤独ではない。むしろ、励ましに似ている。
誰かを思う言葉も大切だけれど、震えるような感動に耳を澄ませることが出来るという、実感は、まず、僕を生命体としての「何か」を知りたいと思わせる。
つまり、まだ生きていられるという話なのである。
急いでしまう。
急な流れが、僕のペースなんか気にしないで、静かに組み立てようとしているものに対し、お構いなしに、変化を流し込まれる。
僕はちょっと待ってよと思いながらも、その言葉すら挟む時間をもらえない。
だからまず、僕は静かに気づく。震えながら、その震える実感に対して、それはとても素敵な記憶なのだと、抽象的に記録する。
そして、沈黙の中、その抽象的さを感じようと努める。
また奪われるのではないかと怯えつつ、まず、僕は静かに覚悟を決める。
僕の中の物語は、また、別のものに変化していく。
心震える。
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