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痛みの限界。

日々、身体に痛みが増えていく。
三日前に、右足かかとが痛くなり、歩くのも辛くなった。
痛み止めを飲みながら、何とか出社をするのだけれど、もういい加減、ここら辺で勘弁してくれないかと思い始める。
「なにを?」
と、自分に問いかける。
「何もかも」
何もかも?
「ああ、何もかもさ」
その日のうちに、腰が角度によって激痛が走り、胃がムカムカして気持ち悪い。
しかし、無性に腹だけは空く。
空いて、食べるのだけれど、気持ち悪くなる。
もう、勘弁してくれないか?
「なにを?」
何もかもさ。

歩けない。気持ち悪い。腰に激痛。左肩に痛み。目がかすみ、ひたすらだるい。

もう、動けない。
けれど、動かないと、生きてはいけない。
「つまり、死ねっていうことだろうか?」
いや、動けないなりの知識を身に着けて、何とか生きろってことさ。
もう、勘弁してくれないか。
そうまでして、無理をしないといけないのか?
「もう、無理をしたくないのだけれど」
と、siriに訊ねると、
「すみません、よくわかりません」
と言われた。

勘弁してくれねぇか。

そして、激痛が体中を襲い、眠れぬまま、ダラダラ汗をかき、仕事へ行く時間になったのだけれと、動くことが出来ない。
「……」
もう、いいか。

と、思った時、身体がゆっくりと腐っていくのが分かった。
腐る。凄い臭いだ。

「もう、死んでいたのかもしれない」
そう、気づくころには、すっかりと腐敗して、死んでしまった。

僕は、まあ、よく頑張ったよな。
と、無理して起きる必要はないと、安心して死んだ。

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