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宇宙船で一人でいると、色々とどうでも良かったんだなぁと気づく。


宇宙船の中で一人でいると、「存在」なんてものが、不確かであるような気がしてくる。
宇宙は音がしない。何かしらが無音のまま漂っているのだ。
そこに、息をしている自分がいて、なんだか、ああ、生きているっていうのは、なんでもない話でもあるのだなぁと、思う。

とりあえず、無音が気持ち悪くなったので唯一聴くことが出来る浅香唯のベストアルバム「CRYSTALS 〜25th Anniversary Best〜」を流し、この壊れた宇宙船の中で、あとどれだけ生きていくのか考えた。

地球は楽だったなぁ。
色々なものがあったし、人もいっぱいいたし、食料とかみんなでシェアして、沢山食べ方アレンジして、犬とか可愛くて、今度地球に戻れることがあったら、のんびり過ごそう。
余計なことは考えずに、ただ楽しめばよかったんだなぁ。

科学の進歩で、命の維持は、ある程度約束された状態なので、結果、壊れた宇宙船がどこかに辿り着いて、そこから宇宙船修理して、どうやって地球に辿り着くかの問題なのであるけれど、果たして、その必要はあるのだろうか?
生きる意味って何?
意味はないかも。
ただ、生きていると、生きていることが幸せだったりする瞬間に出会えるということは分かる。

とりあえず、タブレットで漫画を描き始める。Wi-Fiをキャッチしたら、地球の人にも読んでもらえるようになるかも。
そしたら、誰か助けに来てくれるかなぁ。
面白くないと誰も読んでくれないかもなぁ。
と、「10月のクリスマス」を口づさみながら、楽しく漫画を描く。

宇宙。宇宙は、暗い。退屈である。
地球に帰りたい。今日は何曜日だろう?
そんなことはどうでもいい。

宇宙で一人でいると、どうでもいいことがいっぱいあると気づかされる。



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