見出し画像

彼らの"国"と私の"国"

 アフリカのコンゴ民主共和国に1ヶ月滞在している私は、ホテルに泊まっているわけではなく現地の大学の寮やホームステイをして生活をしている。旅行感覚であればホテルを使うことはなんともないだろうけど、フィールドワーク(*研究対象である場所や地域に赴くこと)ではまた違う。もちろん、生活面は日本の水準には全く届かないようなものであるからゆっくりと暖かいシャワーを浴びたいと思うのは山々だが、それ以上に現地人の生活を試みる。と言っても「日本人(ストレンジャー)」という肩書きは死ぬまでいや、死んだ後もついてくるから、現地の生活を現地人として100パーセントできるわけでもない。ましてや私は1ヶ月という限られた時間の中で目的を達成するためにここにいて、都市にある大学と郊外でのホームステイという2パターンな生活形式の中にいるため、経験できることも限られていることをご理解の上読んでいただきたい。

 今回は、こんな生活の中でコンゴ人と面白いディスカッション体験をしたので背景と私と彼らの見解を共有する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 コンゴ民主共和国の首都であるキンシャサの中にはもちろん市町村があって、Gombeというところが最も交通の便が良い中心地になっている。はたまた1時間ほどタクシーを乗り継ぐと見えるのが郊外だ。私は主にMont Ngafulaという山にある、道路が塗装されていない砂で凸凹道が張り巡らされている町にホームステイをしながらコンゴのマザーたちとお洋服を作ったり小学校でクラスを持ったりしている。(私の具体的な活動はこちらからアクセスしてね⇨① http://all-about-africa.com/ay-murakami_1-1/ ②http://all-about-africa.com/ay-murakami_2/ )

 Mont Ngafula でのホームステイ先では夫婦と通訳をしてくれるコンゴ人の友人と毎晩夕飯を食べている。夫の方は2年前に来日した経験があって日本のことを知っている。私にとっては日本を知っているコンゴ人がどう日本を見てどうコンゴで当事者意識を持っているのかすごく興味深い話である。以下、議論を対話形式で記述したい。


夫:コンゴの大学は日本の大学と違って教授とコンタクトを取るのも難しい。日本の大学は先生と話すこともできるしアドバイスもくれる。いいシステムだよね。

私:それはやっぱりコンゴの国柄である年齢層が上の人の意見を絶対に尊重しなければならない背景があるからなのかな。

夫:うん。先生が言うことは絶対。だから質問もできないよ。

〜〜〜リンガラ語(*夫と友の間で現地語で高速議論。追いつけません)〜〜〜

夫:コンゴ人の外国人に対する態度をなんとかしないと。

友:間違いない。誰彼構わず叫んでいる人たちが多すぎる。

私:理由は外国人や外国についてをしらないからじゃないの?小学校から海外を見たりすれば叫ばなくて済むもんでは?アジアには中国、韓国、日本とか中国以外の国もあるって。

夫:それだけが理由ではないよ。だって、あやが日本人でも中国人でも人間には変わりないよ。外見が違っても人間なんだから叫ぶのはおかしいでしょ。

私:確かに。コンゴ人が中国人に対して不満があるから私を中国人と判断して無差別に叫んでいると思ってたわ。じゃあ、インド人でも叫ぶってことだよね?

友:そう。

私:なんで?

夫&友:わからない。

私:え??知らないの?

友:俺は彼らが本当にわからないよ。でもいいことでも叫ぶからね。例えば、服装がオシャレだったらいいように叫ぶし。

夫:メンタリティがコンゴを変えると信じてる。彼らの考え方が国を動かすし国を築いているからね。

私:メンタリティを変えるにはどうすればいいと思う?

夫:もちろん政治が変わる必要がある。政治が全てをコントロールするのではなく国民が考えられるようになるためにね。今回の新しい大統領は前回よりいいようになると信じてるよ。今回の選挙はアフリカで初めて国民が投票して賄賂なしに実行できたと言われているからね。

友:全ての人をコントロールできないから、彼ら自身が変わらないといけない。
だから、あやは教育を勉強していて長谷部研究会(*慶應義塾大学長谷部葉子研究会研究会 私の所属しているゼミ)はコンゴとコラボレーションしてるんでしょう。

私:間違いない。メンタリティは教育の積み重ねだよね。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

 要約としては、
①外国人に対する態度が異様に激しい理由は、何人か関係なく正確な理由はコンゴ人も明確にはわかっていない。
②国を構成する国民、人のメンタリティを変える必要がある。

つまり、教育。


 結論をはっきりここで述べられる訳ではないのだが、私は"日本人"としてここにいます。だから、彼らの今後を母国としてみる見方と私の日本人としてアフリカの国としてみる見方に大きな違いを感じます。彼らは母国を知り尽くしていて人も知っているからこそ見えること・当事者意識を持っている。私は日本で生まれ育ったからこそ彼らと違うものを見えることがある。

 きっとこれでいいんだと思う。


続く

日本各地・世界を飛び回りたい!サポートしてくださったら嬉しいです!