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オキタシロウ
2021年8月25日 04:04
多摩川の方から登ってくる夏の強烈な朝日に目をしかめながら、沖田惣一は重い足取りでバスターミナルへと向かっていた。 高二の夏休み最終日。これが最後とばかりに大学部の連中と朝まで渋谷で飲んだくれ、田園都市線の始発でようやく二子玉にたどりついたところだ。「あー、始業式まで1時間くらいは寝られる…かな?」 徐々に気温と湿度が上がってくるのを感じながら、かすむ目でバス停の時刻表をのぞき込む。この時間