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月刊おきにのうつわ|第三回伝活  〈京銘竹・竹工芸〉

今月の伝活は竹。
竹と一言で言ってもその種類は豊富。竹の子が食べられる竹、建材や花瓶、籠など細工に使われる竹、緑の竹、黒い竹、太い細い…その種類はさまざま。

竹の子として食べられるのは、孟宗竹・真竹・淡竹・姫竹・四方竹などです。竹の子のお刺身に、竹の子ごはんや竹の子の天ぷらも魅力的…。余談ですが、よく食べられる孟宗竹の竹の子にはオスとメスがある(正確には雌雄でなく個体差)をご存じでしょうか?竹の子の先が緑のもの(オス)と、黄色のもの(メス)があり、一般的には黄色のメスの方が柔らかくて美味しいと言われています。竹の子を選ぶ際にご参考まで…おっと、ずいぶん脱線しました。


そんな竹を一気に見られる場所をご存じでしょうか?
京都市西京区にある京都市洛西竹林公園では竹の種類やの生体、活用の様子などがわかるとてもマニアックな場所!「竹のテーマパーク」と名付けてもいいかもしれません。そして、とてもいい景色でフォトスポットとしても密かな人気です。私も定期的に行き、癒やされています。

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(竹の種類が一目瞭然、ものすごくわかる展示。/京都市洛西竹林公園)

園内には竹を使った竹垣も展示。竹の組み方にも種類があり、光悦寺垣・建仁寺垣・龍安寺垣・金閣寺垣などお寺の名前が付いた物が多くあります。

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(竹林公園内 手前に見えているのは光悦寺垣/京都市洛西竹林公園)

↓こちらで竹垣の種類がわかりやすく紹介されています。


また、エジソンが実用化を成功した白熱電球には京都八幡の竹が使われていたという話はご存じですか。
電球に必要なフィラメントは現在、タングステンという丈夫な細い金属が使われていますが、エジソンたちが開発していた当時は炭化させた紙を使っていました。しかし、紙では耐久時間が短く、灯りが付いているのは1分ほど。これでは、使い物にならないとあらゆる素材を試したところ、研究所にあったお土産の扇子に注目。扇子の「骨」の部分の竹を使ってみたところ、長く灯されたことから、さらに質の良い竹を探したところ、京都八幡の石清水八幡宮の竹が長時間の点灯を生み出しました。

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(白熱電球実用化と竹のご縁での「エジソン記念碑」/石清水八幡宮境内)

実家の家業柄、子供のころからエジソンと竹の関係を聞かされていましたが、なぜアメリカ人のエジソンが日本のしかも京都の竹を手に入れたのか、さっぱりわかりませんでした。しかし、今回詳しく調べてみると、エジソンが派遣した探検家が来日し、時の首相 伊藤博文に〈竹なら京都〉とアドバイスを受けて取得したとわかりすっきりしました。(こんな機会がないとなかなか調べないですね…)

壮大な話になりましたが、暮らしの中にも竹は溶け込んでいます。季節のお花を生ける花器や盛り籠、照明器具、竹製のバックなど身近なところでも竹は使われています。

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(編み方によって様々な模様が描かれます。くだもの籠/ゆうすい)

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(七夕のコーディネート。ざる・竹の箸・竹ランチョンマット/ゆうすい)

↓竹の編み方の種類のがわかりやすく紹介されているサイトです。


私がよく使っている竹籠は、夫のKojiの母校でもある京都府南丹市にある京都伝統工芸大学校の生徒さんが作られたもの。数年前の学園祭で販売されていて、きっと先生に教わりながら作られた技術の習得中の作品だと思いますが、サイズ感といいデザインといい、とても気に入って購入しました。
テーブルコーディネートでも、パンや紅茶、スパイスなどざくっざくっと入れても絵になります。このときは卵を入れてみました。

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(ちょっと上等の卵を頂いたので、このまま食卓に出して卵かけごはん~)


また、放置竹林の問題も深刻。ただでさえ繁殖力の高い竹、土地所有者の高齢化や輸入竹・竹の子の増加、竹製品に変わる化学原料の素材が増える中で荒れた竹林が増えている現状。それを打破するべく、行政により様々な取り組みが行われています。

以前に竹の子・竹製品の消費をアップしようと東京で開催されたPRイベント(京都府主催)で、竹の子の水煮や竹の子を使ったマカロン、竹の焼酎などの竹の子を使った食品とあわせて、竹を使ったコーディネート提案をさせていただきました。

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(竹材の他に京焼・清水焼も竹柄を使用/竹の子・竹製品PRイベント)


こうして文章を書きながら、ますます竹に興味がわいてきました。まずは、竹を見て何の種類かを言い当てられるくらいになりたい!そして日常にも積極的に竹製品を取り入れたいと思います。

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