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歴史は勉強になる! 印刷博物館(トッパン本社/文京区水道)

印刷は非常に多岐に渡り、様々な形で日本に伝来してきた。
昔「プリントゴッコ」とか流行りましたね。使ったことはありませんが…

人々の身近にあって、触れることのない印刷の世界。
デザインを勉強し出して、全くの素人なので歴史から…と博物館やミュージアムに足を運んで、印刷のご先祖様と印刷技術を勉強しに行ってきた。

トッパンという会社

場所は正直アクセスしにくいかもしれない。丸の内線・後楽園駅から徒歩10分といったところ。小石川後楽園を過ぎ、ひたすら歩く。こんなとこにあるのか?と思ってくるほどの立地だった(田舎民談)。
前回電通の下にあるアドミュージアム東京に行ったときはぼんやり駅からなかなかの距離だなぁと思っていたけど、都内の人々は割と二駅くらいなら歩いちゃうなんて聞いたことがあったのでスタンダードなのかもしれない。

入り口にあったオブジェが個性的。

着いたのは有名なトッパンという会社。一見普通にオフィスビルなのだが、その中に印刷博物館は構えている。
1階・地下で構成されているそうで、ほかのエリアはすべてトッパンのオフィスエリア。
どんだけの人がここで働いてるのだろう…とぼんやり見上げたくなる。

印刷博物館へ

たまたま行ったら硬券印刷体験の整理券を一緒に貰った。
体験は無料。

初め、プロローグとして印刷の歴史、が壁一面にずらっと並んでいる。
古代のものから中世、近代へ…と様々な道具や広告など。

細やかな彫りのデザインが目を惹く。

硬券印刷の体験をしてみよう

奥に行くと人だかりができていて、どうやらこれが体験エリアのよう。

紹介していたのは昔の切符、”硬券”というもの。
当時の印刷機はベルト駆動され、相当な力を入れないとハンドルは回らない。中々の力仕事であろう…

今でこそSuica…が登場して、普通の切符など買うことはないだろうが…
確かに昔の切符ってこんな感じ…というか今でもこんな形なのか。
出来た切符は3枚頂ける。貴重な体験。

印刷の歴史を学ぼう

印刷の歴史を事細かに紹介している。
日本へどう伝来されたか、この時代はどんなことに使われたのか…
博物館というだけあってとても細かく、歴史の教科書ばりに説明されている。

初めは宗教、特に仏教を伝えるために用いられていたようだ。

活字のミニゲームなんかもあったり。
これが結構難しい。何せ逆から読まなければならないし、文字は左右反転。
これらの文字を組み合わせて昔は印刷していたのだから凄い。

全部で5問くらい。中々に速いスピードでやらなくてはいけないようだ。

なかには、フォントの歴史の系譜も展示されていて、おおっとなった。
ファミリーが段々細かくなっていく…壮観だ…

眺めてるだけでも面白い。
グラフィックデザインのことも紹介されており、印刷自体の歴史を学べる。

印刷技法を学ぼう

印刷博物館、と名を冠しているので、もちろんあらゆる印刷技法を紹介している。
トッパンの名前は凸版というように、逆に凹版印刷なんていうのもあるらしい。
スクリーン印刷や石板印刷…非常に様々な種類があり、各々得意なこともあるし、ネックを補うために組み合わせていることもあるそうだ。

私はデザインの勉強をしながら、同人活動もしているので、印刷に関する知見を広めたいなぁと思ったのもあり訪れたのが目的。
期待通り、「どういう風に表現されているのか?」が紹介されていた。

道具から、機械、表現、デジタルまで…印刷技術を網羅。

トーン作業なんかで見る、”モアレ”の正体も…分かった…!

まるで巨大な教科書だ
歴史分野が大半を占めていると思いきや、技術分野もまんべんなくじっくり見られて、非常に勉強になる。

ハンコ気分でカレンダー作りが出来るブースもあったり。
”暦”の文字が素敵。

季節で変わるのかなぁ、右下の犬が可愛い。

他にも、”印刷工房”という印刷技術の継承・研究・体験ができるブースがあり、予約制だが活版印刷の体験ができる。
今回は時間が合わず断念したが、ずらっと並んだ昔の印刷機械と活版印刷の道具が圧巻なので見てほしい。

印刷文化はデザインの勉強の第一歩になった!

古代から現代にかけて、世界中で様々な進化を遂げてきた印刷。

デジタルが一般的となったが、やはり”印刷する”という行為は変わらないようだ。
デザインを勉強する人は一度訪れると新たな視点で知見が広がって面白い発見があるかもしれない。

もちろん、興味のあるひとも「ほほ~」と勉強になることがある。
(本当に巨大な教科書!という感じなのでじっくりと時間をかける必要あり)

是非とも。


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