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2/17 【国会答弁】

【要点】

・上記の記事では、主に国会の質問通告のうちどれくらい実現したのかについて記されている。記事によると、「今年になって菅義偉首相と関係閣僚が出席した衆参計8回の予算委を分析すると、与野党議員が事前通告した質問項目の3割が実際には質問されなかった」という。また、質問実現率は与党より野党の方が低い。

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(画像は記事から引用)

このようになっている理由としては以下の2点があげられている。1点目は与野党での答弁の予測度の差だ。記事では以下の指摘がなされている。

質問内容と政府答弁とを擦り合わせやすい与党議員に比べ、野党議員の場合は首相や閣僚らの答弁を想定しにくい。短い政府側の答弁が続けば持ち時間が余るおそれもある。与党議員より多めに質問を用意しておくことは避けられないという事情はある。

2点目は、1点目と関連するが、野党側の質問の事前通告の多さだ。記事にもあるが、「事前通告の項目数をみると、与党の200項目超に対し、野党は580項目以上と3倍近かった。」この水準は妥当なのか。

この記事の論点は、国会運営の生産性がどうであるのかという点ももちろんだが、同時に国会対応に追われる官僚への依存度についても言及している。官僚は他の業務と並行して国会対応を行う。質問がなされないものが多い場合、官僚の時間を無駄にすることにつながる。

また、質問の事前通告に関しては、質疑の2日前の正午までに内容を通告するルールが形骸化している。官僚の長時間勤務の要因の一つとなっている。

【感想】

・国会の議論も生産性を向上させる必要がある。質問実現率=質問実現数/質問数だから、両者について言及すべきだろう。

まず分子の「質問実現数」、つまり質問が実現した・しなかった項目について考察する。今回の質問実現ができなかったケースとして挙げられるのは、以下のようなものである。(以下、記事引用)

事前に公表した質問要旨では15項目を尋ねる予定だった。実際にはワクチン関連の質問や、要旨になかった総務省幹部が首相の長男から接待を受けた疑惑などに30分の持ち時間の多くを費やした。安全保障関連など9項目は時間切れで質問できなかった。

現在はコロナ対策を重視する傾向があるので、ワクチン関連の時間の伸びに関しては否定しない。しかし、不祥事関連で国会の時間、および官僚の時間が削られるのはいかがなものか。

たしかに、野党側からしたら政権与党の不祥事は、与党側の権力や支持を薄めるうえで有効だ。しかし、これをわざわざ国会という立法機能がある機関でする必要はないだろう。記事にもあったが、党首討論などで行うべきだ。

このように、国会の運営の在り方について考え直すべきだ。不祥事より安全保障関連の方が重要なのは明白である。議論項目における優先度や時間厳守を求めることで、議論の生産性を向上させるべきだ。

・また、「質問数」においても、多すぎるのではないかと思われる。議席数がすくない野党が与党の3倍も質問数が多いことははっきり言って異常だ。質問内容を各党で吟味することで、議論の質を高めていく必要がある。

事前通告のルールを破ることももってのほかだ。質問の事前通告を「納期」で例えると、ルールを破ることは単純に納期を破っていることになる。これは普通の社会では避けられるべき事象だ。

官僚の依存度についても考え直すべきだ。質問の内容によっては閣僚に直接質問できる内容もあるだろう。それこそ「不祥事」などそうだ。そのような件にまで官僚を「利用」するのは筋違いであろう。

#日経COMEMO #NIKKEI

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