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【読書感想】いわた書店一万円選書①くもをさがす

実はいわた書店の一万円選書の抽選に3月ごろ当たりました。
ご存じの方も多いかと思いますが、カルテが送られてきて、読書歴やこれまでの人生で印象に残ったことなどを書いていくと北海道の書店の社長さんが大体1万円分ぐらいの本を選んでくれるサービスです。

↓いわた書店さんのページ

https://iwatasyoten.jimdosite.com/

くもをさがす 西加奈子 河出書房新社

読書歴に大好きな「サラバ!」を入れた影響かな?もともと読みたかった西加奈子初のノンフィクション。カナダでのガン闘病記。



印象に残ったのは病院で漢方を辞めてね、と言われてでも心の拠り所になっているからやめたくないと西さんが言うんだけど、その決断が病院にあっさり受けれ入れられるところ。じゃあやめてねって言ったの何だったん?と思わなくもないけれど、「もちろん、決めるのはカナコやで。」「あなたの体のボスは、あなたやねんから。」(p.98)っていう風に言ってくれていて、ああ、何でも自分で決めて責任を持たなきゃいけないってことでもあるけれど,自分のことは自分で決められるっていうこと、当たり前のように思えるけれどこの体は他の誰でもない自分だけのものであるということをこんなにもはっきり伝えてくれている人がいるっていうのはいいなと思った。

今書いた「」の発言もそうなんだけれど、英語が関西弁に訳されているのもいいなと思う。関西弁のほうがなんとなく親しみを感じるような、本当に病気のことや西さんのことを相手が考えてくれているように感じたり、反対になんといい加減な……という対応のときも言葉の軽快さがちょうどいいように思う。

あとはテーマとはずれるけれど、色々な作品の引用も入っていて、読んだことがある本、読みたいと思っていた本、引用で初めて知って気になる本がたくさんあって西加奈子さんが惹かれるものと同じ方向に自分もアンテナをはれてたりして?とおこがましくもうれしい気持ちになった。

『夜が明ける』も読みたい。


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