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比較検討より運命を愛したいぜ、ベイベー

こんにちは、せっちん丸です。
世間は春だ春だとゆうとりますが、酒を飲んだ翌日の手足指先の冷えがすごすぎて、新潟の山間部の外気みたいにキンキンな毎日を過ごしています。

僕、noteに50個くらい下書きがあるんですけど、ちょうど一年くらい前に途中まで書いてスヤスヤっと寝ちゃって、あたためていた記事が見つかったので、ちょっと加筆して改めて公開しちゃいます。
ほいじゃあ、以下、本文です。

👇!〜〜〜本文だ〜〜〜!👇

3000ポイントのゆくえ

3月29日、メールボックスに一通のメールが来た。

「期間限定楽天ポイント3000ポイントが今月末でなくなります」(ざっくり)

メルマガからサイトを除くと飲み会の幹事や普段の買い物でコツコツと楽天ポイントを貯めて来たため、それ以外にも7000ポイントほど溜まっており、合計約10,000ポイントほど利用できることがわかった。ポイント地方豪族。

我こそは資本主義の犬、これは何か買わねば。と思い、楽天アプリのトップからテキトーに「メンズファッション」の項目をぬるぬるとサーフィンした。

いくつかのショップを覗く中で、一着だけ、これはイケてる!と電撃走り雷鳴轟く白シャツを発見。
パリッとした生地に、シュッとした腕周りのシルエット、人生で初めて1000円超えの歯磨き粉(美味しいやつ)を使った時のような、初めてニューバランスの1300を履いた時のような、初めて後期のSUPERCARを聴いた時のような、「青色っぽいクラフトマンシップ」に胸が踊った。
単なる日常使い「流しの服」ではなく、「武器になる服」だと直感的に悟った。

何かとググるAISASおじさんなので、ブランド名を調べてみると「名作!」「10年着れる!」「シティユースに最高!”着倒せ!”」といった、褒めちぎりレビュー記事が続々登場。名高さがすごい。

「シティユース」や「着倒す」といったフレーズにめっぽう弱い飛騨の田舎出身の僕は、この記事を読んだ時点で「買い物かごに入れる」ボタンをクリックしていた。

他にもパンツやスニーカー、リュックなどの商品も覗いたものの、先ほどの白シャツ以上に魅力を感じる商品は見つからず、買い物かごから精算するボタンを押しにいこうとした。

現実派の姑の登場

しかし、ベッドに寝転びながら、割と溢れかえったクローゼットが視界に入った瞬間「白シャツは何着か持ってるし、どうせポイント使うならもっと実用的なものの方がよいのでは…?」という現実派の姑っぽい考えが頭をよぎり、精算ボタンを押すことなく再びサイトトップへと戻ることに。優柔不断人間のお手本みたいなユーザーフローである。

サイト上を再サーフィンしながら、「実用性の高いものってなんだろう?」「最近の自分の悩みってなんだっけ?」と課題解決型アプローチっぽく考えた結果、「電気シェーバーを買うのがよいのではないか」という結論に至った。

僕は朝起きてから髭を剃る派なのだが、今使っているT字カミソリだと、やれ泡を塗るだ、やれ蒸しタオルで髭をヤワこくするだで、やたらと時間がかかる。しかも、肌ダメージも案外大きい。唸る5枚刃、深剃りはバーサク。

当方27歳。アラサーになって、肌のコンディションに如実に敏感になった。そういえばこの頃尿切れも悪い、ガッデム。

そこで、短時間で肌ダメージを与えすぎずにサクッと剃れる電気シェーバーなら、日頃の髭と肌周りの課題の解決につながるのではないかと考えた。
どんくさサラリーマンにとって、朝の時間は貴重。朝の髭剃りにかかる時間が6分から3分に短縮されたら、長い目で見ると大きな差が出る。LTV。
そんなこんなで、買い物かごに追加するボタンをクリック。ファック。

2商品が買い物かご内に入ったところで、どちらを買うかの決断をしなければならない時が来た。両方買ったらそれはそれでだめな気がして一つを選ぶことにした。

イケてるセンサーが反応した運命の白シャツvs日頃の課題解決グッズ 電気シェーバー

わかりやすい右脳vs左脳の構図である。

悩みに悩んだ結果、僕は電気シェーバーを選んだ。

電気シェーバー到着、その後

流通業界の企業努力はすごいもので、翌朝には宅配便でシェーバーが届いた。

今は平日はサッと剃れる電気シェーバー、休日は深剃りできるT字カミソリで髭を剃っている。
肌の調子は、まぁ良い。

しかし、シェーバーを肌に当ててヴョンヴョン鳴らす度に、あの「SUPERCAR的白シャツ」のことを思い出してしまう。

「あからさまな後悔っ…!」
「なかば、失恋っ…!」
「敗北の二文字…っ!」

脳内でカイジのナレーターがエエ声で煽ってくる。

後悔の理由を考えてみた。

それは、「決断」をしなかったからだという結論に至った。

選ばされたら後悔が残る

今回の選択は、言ってしまえば「選ばされた」結果になってしまったと思う。

謎にケチくさく、悩みに悩みすぎて、最後はわりかし放り投げるようにして判断をして、今、後悔をしている。

何かを決断するというのは自分の意志と向き合うことなので、まあまあ気力を使う。

だからこそ、やれコストパフォーマンスだ、原価だ、利便性だといったわかりやすい誰かが作ったフレームに乗っかった方が「それっぽい」選択はできるし、楽だ。

しかし、運命を感じる力、直感の力というものは自分にしかないもので、それっぽいフレームワークよりも実は全然精度が高かったりする。これまでの人生の総和が瞬間的に表れる。

社会人生活でなんとなく身につけた技術で、27年間培ってきた心の動きを押さえつけて判断をしたのはよくなかったなぁと今回の買い物で学んだ。

時間が経てばがらりと答えが変わっているかもしれないし、答え合わせは時間を重ねてからになる。
これを機に僕が”シェーバー厨”になっている可能性もある。

運命を買おうぜ

年を重ねるごとに、守るものも増えて、高い買い物も増えるし、きっと比較検討でモノを買う傾向がより顕著になると思う。

モノを買うことは思想に共感すること。

だからこそ、衝動買いをしろ!というわけではないが、強い共感、インプレッションを覚えたときは、年を重ねたからこそ、忘れたくない”予感”、言い換えると”運命っぽいもの”に従ってモノを買っていこうと思う。

たとえヘンテコでも、思ったより役に立たなくても、愛着をもって買ったものは未来を照らす武器になると思うから。


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