[公認心理師] バイスティックの7原則
今日の学びは「福祉心理学」領域。
介護福祉関係の方には有名な『バイスティックの7原則』が出てきたので、自分の理解のためまとめておきます。
バイスティックの7原則とは
わたしはキャリアカウンセリングや教育の分野にいるためか、実は今日初めて知りました。今度この本を手に入れてじっくり読みたいと思っています。
「ケースワークの基本的な作法」ですので、マナーやエチケットとして紹介していますが、その内容は「援助者としてのあり方」そのものだとわたしは感じています。
これが65年後のいまでも必要とされているのは、いくら便利な時代になっても人へのかかわり方は不変であるということを物語っているのかもしれませんね。
1.個別化 (individualization)
「誰でもそうだから」「よくあることだよ」なんてことを口にしませんか?
これがラベリングやカテゴライズです。
個別化は、「○○さんとっての問題」とお名前を付けて考えることだとわたしは思います。これはキャリアカウンセリングにも共通します。
2.受容 (acceptance)
C.ロジャーズの受容(無条件の積極的関心)とほぼ同義だと思います。
まずはお話しをそのまま受け止め、この方はどんな経験をして、どんな考え方に基づき、どういう思いを込めてお話ししているのかに関心を寄せます。
ただし非人道的・反社会的な言動については、無条件に受け入れるのではなく、「なぜそう考えたのか」という相手のものの見方・捉え方・考え方に意識を向けることも必要だと、わたしは考えます。
3.意図的な感情表出 (purposeful expression of feeling)
非言語のかかわり方と、「相談者の鏡となる」という支援者の姿勢だと感じました。
支援者の態度・表情・語り方などは、相談者に大きな影響を与えます。安心して話せるような雰囲気を醸し出すことが求められるということですね。
4.統制された情緒的関与 (controlled emotional involvement)
C.ロジャーズの自己一致にあたります。
共感(共感的理解)ではなく、同感(自身の体験と重ね合わせて理解する)に陥ると、支援者自身の感情が表に出てき過ぎて、一緒になって怒ったり悲しんだりしてしまいます。
自分の気持ちをコントロールしつつ、相手の感情に飲み込まれないように、自分を律することが求められているのでしょう。
ちなみにわたしは「誠実さ」を意識しています。自分の気持ちにウソをつくことや、相手の気持ちを自分の気持ちと重ねすぎてわかったつもりにならないことは、「相手に、誠実に接すること」だという感覚があるんですよね。
5.非審判的態度 (nonjudgmental attitude)
相手の話を、自分の価値観の枠を外して聴くということです。よい・悪い、正しい・間違っているの枠があると、相手の話をそのまま素直に聴くことはできません。
相談者も、自分を否定されてしまうと安心して話すことができませんから、当然の態度だと思います。
6.利用者の自己決定 (client self-determination)
特に支援者側が知識や経験を持っているような「提供:享受」のパワーバランスが存在する場合は気をつけたいですね。
職場や学校でいえば、「上司:部下」「先生-生徒」「先輩:後輩」「ベテラン:新人」などです。
カウンセリングの「支援者:相談者」、ケースワークの「援助者:利用者」も同様です。
ただし提供側が決定しなければならないこともあるので、「これは誰が決定すべきことなのか」を意識し、自己決定権を奪わないよう細心の注意が必要ですね。
7.秘密保持 (confidentiality)
公認心理師法 第41条では、「公認心理師は、理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。公認心理師でなくなった後においても、同様とする」と定義されており、違反した場合の罰則は「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」に処せられ、さらに「公認心理師の登録取り消し」がなされます。
もちろんCDAも国家資格キャリアコンサルタントも違反については明記されていますし、倫理規定としてあらゆる職種において前提になっています。
相談業務に携わる方にとっては当然すぎることだと思います。
まとめ
バイスティックの7原則について、ひとつずつ考えてみました。
やっぱりキャリアカウンセリングにも重なる部分が多いですし、支援者・援助者と呼ばれる方には必須の原則だと感じました。と同時に、教員や年長者としても心に留めておきたいと思いますね。
「対“人”支援であり、対“物”や対“事”の支援ではない」
これこそが根本にあるのかな、とわたしは感じました。
明日も素敵な一日でありますように。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?