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あいつが悪い!
絶対に許せない!

そんな感情にかられてしまうことがあります。

怒りです。

怒りは一瞬で消えるものと、長く続くものがあります。




例えば、子どもがショッピングモールで迷子になったとします。コールセンターで呼びかけてもらい、ようやく子どもが見つかりました。
「あんた!どこ行ってたのよ!!」と大声で𠮟りつけてしまう・・・瞬間的な怒りを面に出してしまいました。
ですがその裏には心配や不安といった別の感情が隠れていて、無事に見つかったことで安心した気持ちを、怒りとして吐き出しているわけです。
きっと叱った後に、「よかった~お母さん心配したんだから!」と涙ながらに子どもを抱きしめるのではないでしょうか。

一方で、誰かに何か嫌なことをされた場合、それがずーっと残ってしまうこともあります。いまでも消えることのない怒りです。

わたしはこの「長く続く怒り」を【怒りの木】と呼んでいます。そして、怒りの木を育てないように注意しています。




【怒りの木】は、人を憎む心を養分とします。

いつの間にか心に【根】を張って、【恨み】として消えることがなくなってしまいます。「いつまでも根に持つ」状態です。

それが消えずに心に残り続けると、やがて【痕】となります。こうなってしまうと人を憎まずにはいられなくなります。

周囲の人の悪いところばかりが目につき、他人が許せなくなり、鋭い目つきになっていきます。つまり【眼】に表れてきます。

怒ってばかりで他人を許さないような人は、どうしても付き合いたいと思えなくなり、自然と距離を置くようになります。

阻害されると、怒りの木はますます人を憎み、養分を蓄えます。




共通する漢字「艮」には、次のような意味と成り立ちがあります。

(コン、ゴン、うしとら、ねずくり)
「目」+「匕」(小刀)で目の周りに入墨をする様(藤堂)。一箇所に止まり動かないの意。「眼」、「限」、「根」、「痕」、「恨」、「很」に「動かない・ずっと残る」の意を残す。

引用:ウィクショナリー

ずっと残るから、「根を張り」「痕になる」んですね。




では【怒りの木】を育てないためにはどうしたらよいのでしょうか?

それは「養分を与えない」ことです。
そして「根を張らせない」ことです。

【怒りの木】の養分は、「人を憎む・妬む・恨む気持ち」です。
だから思い切って「人を許す」ことができれば、その養分を断つことができます。

「わたしだって同じようなミスはしたことあるもんな」
「今回はたまたまこういうことがあっただけだし」
「わざとやったわけじゃないでしょ」

そんな寛容な捉え方をするということです。

ポイントは「自分ごとに置き換えて考えること」です。
相手がいけない、あいつが悪いと、他人事にしてしまうと、怒りを鎮めることが難しくなります。
だから「自分が同じ立場だったらどうだろう」と想像力豊かに考えることが大切です。「もし自分だったら、自分が同じ状況に置かれたら、どんな気持ちでいるのだろうか」と一歩立ち止まって考えるだけでも、怒りはすーっと消えていく気がしませんか?


そして【怒りの木】は暖かな陽射しが苦手です。
人を包み込むような笑顔や優しさ、穏やかな雰囲気、心配りを感じる言葉、思いやり、温かみ、などがあると、根を張ることができません。
周囲がみんな穏やかで心優しい雰囲気であれば、いつまでも一人で怒っているのが恥ずかしくなってきます。
そうやって温かな環境を作ってあげることも大切ですね。




誰の心の中にも【怒りの木】の種はあります。

でも、人を憎んだり・妬んだり・恨んだりして、養分を与えるようなことは避けましょう。

そして温かな雰囲気の中に飛び込んで、心穏やかに過ごしてみてください。

きっと根を張ることなく、自然となくなっていきますから。




明日も佳き日でありますように

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