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[就活] いつの間にか苦手なことも好きになっていた
昨日に続いて、わたしの体験談をお届けします。
好きなことばかりじゃなく、嫌なことや苦手なこと、辛いことや大変なことなど、仕事をしていると乗り越えなければならない壁がたくさんあります。
正直、いやいやながらもやっていたら、いつの間にか嫌じゃなくなり、それが好きに変わっていた・・・というお話しです。
「キャリアカウンセラーになる!」
そう決めたのはいまから10年ほど前のことです。
当時、専門学校のクラス運営でうまくいかないことが続き、心身ともに疲弊していました。
そんなある日、ひとりの学生が他の先生に向かって話していたのをたまたま聞いてしまったんです。
「岡部先生って話を聴いてくれないからイヤ!」
・・・なかなかの衝撃でした。
わたしなりに話を聞いていたつもりでした。
でも実際には、わたしの価値観を押し付け、すぐにアドバイスをし、正しい方向へと指導し、学生の意見を否定する、という聞き方だったようです。
いまにして思えば、「先生だから常に正しくなければならい」という自己概念にしばられていたのでしょう。わたしが調べて、わたしが判断し、正しいと認めたことだけを聞く感じです。(嫌な先生だな…)
心機一転、この日を境にまずは相手の話を聞くという姿勢で臨みました。
「うんうん」と、ありのまま話を聞いている・・・ようで、すぐにジャッジするわたしがいます。心の中では「先生としてどうすべきか」という思いがよぎっていました。
受容も共感も自己一致もできていない、物理的に音として聞いているだけ、見せかけの聞く姿勢ですね。
当然これでは状況は変わらず。むしろ話を適当に聞いているという印象が強くなっていしまいます。そうです、まったくの逆効果でした。
「人の話を聞くのって難しい・・・」
つくづくそう感じたわたしは、コーチングの資格を持つ当時の上司に相談しました。
するとそこで、こんな言葉をかけられたんです。
「キャリアカウンセラーを目指してみない?」
上司の手には、日本マンパワー主催の「CDA養成講座」のチラシが。
そうなんです。上司はちゃんとわたしの様子を見てくれていて、次の一歩として傾聴を学ぶチャンスを用意してくれていたんです。
こうしてわたしは「キャリアカウンセラー」という仕事と出会うことになりました。
その後、CDA養成講座の説明会に参加しました。どのような資格で、どのように学び、どうやって試験を受けるのかを詳しく知る機会です。
翌年度の春から長野市で開講するということで、同じ志を持った方々と一緒にお話しを聞きました。
そこで、先輩CDAとしてお話しをしてくだったのが、後にわたしの恩師にあたる方でした。通った際の養成講座のアシスタントを務めてくださり、以降ことあるごとに声をかけてともに学び、いまでも交流が続く大切な方です。
そんな運命的な出会いだったことは、このときは知る由もなく、「資格を取ればこの方のように話が聞けるようになるんだ・・・」「傾聴のプロという肩書がつくのっていいな」なんて邪心を抱いて聞いていました(笑)
結局、長野開催の機会は仕事とのタイミングが合わずに断念。でもキャリアカウンセラーへの情熱は冷めることはなかったんです。どうやら資格を取ることも大切でしたが、それ以上に「人の話を聴ける人になりたい」という思いが大きくなっていたのだと思います。
そして1年半後、覚悟を決めます。
「キャリアカウンセラーに、オレはなる!」
お金も休みも工面し、秋冬に松本市で開催される養成講座に申し込みました。(もちろん教育訓練給付金は活用しました!)
講座に通い始めて感じたこと。
「人の話を聞くのって好きじゃないかも・・・」
もともと恥ずかしがり屋で初対面の方とは話せないタイプ。しかも自分のことを語るなんてもっとも苦手としていたこと。でも先生という立場上、そんな自分を隠して働いてきたんですよね。
ところがこの養成講座では、どうやっても自分と向き合わなくてはならず、ここだけは避けて通れないんです。
こうして、人と関わることを学びに行っているのに、積極的に人と関わろうとしない、なんとも矛盾した講座デビューを果たします・・・
一方で学びが進むにつれ、「聞く」から「聴く」に変わっていく様子を仲間内のロールプレイを通じて感じるようになりました。
特にオブザーブとしてカウンセリング場面をじっと聴いていると、話の中に出てくる言葉がそのままの意味ではなく、もっと別のところにその言葉で表現したい何かがあるのではないかと感じられるようになってきたんです。
このあたりから、わたしも変化してきました。
「人の話を聴くのって難しいと、苦手意識を抱いていただけかも」
「本当はしっかりと人の話を聴きたいんじゃないか」
「何のために時間とお金をかけて講座に通っているんだっけ」
ともに学ぶ仲間のおかげで、本来の目的に気づくことができたんですね。
と同時に、本当は自分がどうありたいのかを考えるようになりました。
すると苦手だと思っていたみなさんとの関わりにも変化が生まれました。
「もっと人の話を聴けるようになりたい」
いつの間にか、人のことが好きで、話を聴くことが好きで、もっともっと関わりたいと思えるようになっていました。
きっと本来そうしたかったんでしょう。でもできない自分をつくりあげ、自分に言い訳をして逃げてきていたんです。
学びを通じてそんな嫌な部分から解放され、カウンセリングにどっぷりとハマっていきました。
そしてCDA試験を迎えました。
学科は一発合格できたものの、実技は不合格。
「試験官にいいところを見せないと合格できない」と、またまた邪心が働いてしまい、まったく相談者の話が聴けなかったんです(笑)
でも目的は合格ではなく、「人の話を聴けるようになること」でしたので、あきらめずに次回再チャレンジ。今度は相手を本物の相談者だと思って、全身全霊を込めて聴くことに集中した結果、ついに合格!!
「キャリアカウンセラーになる」と決めてから早3年。ようやく念願だった資格を手にしました。
しかし、合格した日から急にできるようになるというものでもありません。
その後、地区会が主催する勉強会に参加したり、国家資格に変わってからの更新講習で学び直したりと、継続して学び続けてきました。
また、養成講座のアシスタントを務めたわたしの恩師を交えて自主勉強会を開催し、キャリコンとして必要なスキルを自分たちで磨くための取り組みを重ねてきました。
2年前にはJCDA認定のピアファシリテーターになり、副地区長から地区長へと役割を変え、いまのわたしに至ります。
先生という仕事おいてはいつの間にか変化が生まれていました。
「ねぇ先生、話を聴いてもらえる?」
いま、わたしにこう声をかけてくれる学生がたくさんいます。
「話を聞いてくれない先生」から、「話を聴いてほしい先生」へと変化していたんですね。
受容も共感も自己一致も、きちんと理解したうえで聴くことができるようなったのは、一朝一夕ではない努力のおかげだと思っています。
でも、なんでそこまでがんばり続けられたんでしょうか?
それは、
「人の話を聴くことが好きになったから」
だと思っています。
苦手だったり嫌いだったりしても、実はその裏で「できるようになりたい」「克服したい」と思う自分がいます。
その気持ちを隠すことなく、正直に向き合った結果、「話が聴けるようになるためにCDA資格を取得したい」という行動につながりました。
合格後も研鑽し続けたのは、資格取得をゴールにしなかったおかげです。
「話の聴ける先生」という自己イメージが、どこかで自分を突き動かしてくれたんですね。
いまの学びで言えば、「ありたい自分が持つエネルギーが行動を促した」ということでしょうか。
話は冒頭へ戻ります。
10数年前、話を聞けないという現実を突きつけられた出来事。
この経験があったからこそ、いまのわたしがあります。
もし、嫌だからやらない、苦手だから避けたい、と思って逃げていたら、いまのわたしはいないでしょうね。続けてきてよかったと心から思います。
「継続は力なり」
毎日走っていたら、マラソンに出られるくらいになっていた
毎日筋トレを続けいたら、ムキムキマッチョになっていた
毎日字を書く練習をしていたら、達筆になっていた
毎日話を聴く訓練をしていたら、聴き上手になっていた
・・・つまりはこういうことかな?
続けることは、必ず何かしらの力を与えてくれます。
途中で投げ出したり、あきらめたりしたら、それ以上の成長はありません。
だからまずはやってみる、そして続けてみるということが大切です。
ジョン・D・クルンボルツ(クランボルツ)の【プランドハップンスタンスセオリー(計画された偶発性理論)】では、予期せぬ偶然のできごとを味方につけてキャリアに活用してしまおうと考えます。
そのためには次の5つのスキルが重要だとしています。
1.好奇心(Curiosity) ワクワクしながらいろいろと興味を持とう
2.持続性(Persistence) こだわりをもって続けてみよう
3.柔軟性(Flexibility) 違った角度から捉えて柔軟な考え方をしよう
4.楽観性(Optimism) きっと何とかなると信じて進もう
5.冒険心(Risk Taking) 多少のリスクは受け入れて挑戦してみよう
つまりは、いろんなことにチャレンジし、まず行動してみよう!ということです。
できれば行動は続けていきましょう。
その体験や人との出会いから、新たな自分の一面に気づくこともあります。
そうやって偶然を味方につけ、自らの可能性を広めていきながらキャリアを築いていく・・・それが【プランドハップンスタンスセオリー(計画された偶発性理論)】です。
以前、わたしはこのように書きました。
好きになっていたというのは、好奇心や冒険心をもってチャレンジし、柔軟性や楽観性をもって幅広い捉え方をし、それを持続した結果なのだと思います。
最初から「好きなことを仕事にする」という方法もありますが、かたや「仕事を続けるうちに好きになっていた」ということもあります。
いずれにしても「夢中になって取り組む」ことで、きっと仕事を好きになれるし、好きなことを仕事にしているという感覚にたどり着くことはできるはずです。
少なくともわたしは、教員でありながらキャリアカウンセラーでもある自分に満足していますし、ここに至ったのはつらい経験を乗り越えたからだと思っています。
「あのとき、がんばってよかった」と心から思いますね。
「いつの間にか好きになっていた」
そんな自分の正直な気持ちに気づくためにも、一度深く深く自分と向き合ってみませんか?
日本キャリア開発協会では、11/26(土)&12/10(土)に、全国オンラインキャリアカウンセリングを開催します。
働いている方はもちろん、就活中の学生のみなさんもお申込みいただけます。
おひとり1回限り、60分間のキャリアカウンセリングが無料で受けられます。オンラインですので、お好きな場所からアクセス可能です。
プロのキャリアカウンセラーがじっくりとあなたのお話しをお聴きします。
きっと「本当に好きなこと」に出会えるはず。
ぜひこの機会をお見逃しなく!
明日も佳き日でありますように
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