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【元塾講師が教える】塾講師ってどんな仕事? #1

こんにちは。元塾講師のうまかねです。

私は大学卒業後、新卒で関東の大手学習塾に正社員として入社、2年ちょっと個別指導の教室長として働いていました。

その時に経験したこと、感じたこと、思ったことをこれから塾講師になろうかなという方、塾に通わせようかなという保護者、今通っている子どもに向けて発信していきます。

今回のテーマは最初なので、塾講師って何するのか、私が入社するまでから時間を追って、ざっくり紹介したいと思います。

目次です。



なぜ塾講師?

そもそもなぜ私が塾講師を目指したのか。

私の新卒就活の最初の志望業界は食品業界でした。エントリーシート突破し、面接へ進むも全て全滅。おそらく50社以上は応募したと思います。

内定が無いまま7月。食品業界は人気なので、この時期になるとほとんどの企業が選考を終えてます。
「さすがに業界変えよう」と思い、自分が経験したことが活かせるものがいいと4年間続けた個別指導塾のバイトと採点バイトから

「よし塾講師や!」

と決めたのが理由です笑

働くなら関東が良い(生まれも大学も関西)と思っていたので関東の大手塾の1つの選考を受け、無事8月ごろ内定を頂きました。

この時はまだ
「塾講師か〜生徒にしっかり授業して合格を掴み取らせる、やりがいのある仕事だな〜」と楽観的に考えておりました。。。

入社してすぐにそんな考えは一ミリも無くなるのに。

入社前の研修が大変だった

入社した企業は、内定後何回か入社前に研修が9月ごろからありました。宿泊研修もあり、わざわざ関西から関東まで新幹線で行きホテル泊まって参加してました。
※交通費、ホテル代は全て出してくれました。こういうので出ない会社はマジでやめた方がいいです笑

主にマナー研修、授業研修がメインでした。この時期は配属決まってないのでみんな集団授業の研修なんですよね。
めちゃくちゃ大声で模擬授業やらされるので熱血系ですね。魂あふれる授業が最高みたいな風潮です。

内定者同士でチームを組んで、研修担当官が採点、その結果の合計で勝負させるみたいなこともしてました。こういうのって結束力を固めて内定辞退者を出さない仕組みなんですよね。


2月頃には配属部署と配属校舎が決まり、私は個別希望で出していたので東京のとある校舎の個別部署で働くことになりました。

この辺りでも研修があり、個別指導での授業のやり方、見学に来られた保護者に資料を説明する練習などをやっていました。

3月の末には配属先の校舎のバイト講師として時給制で春期講習の授業コマを一部持ちつつ、同じ校舎の別部署の先輩に挨拶回りなどをしていました。

3月末まではまだ大学生なのでバイト講師として、4/1から正式に正社員として働くイメージですね。

塾講師の仕事内容

組織図

塾ってどういう組織図なのかを先にお伝えしたいです。

私の働いていた塾は大きく

・個別指導部
・集団指導部

に分かれており

集団指導部はさらにそこから
・中学受験
・高校受験
・大学受験

に分かれるようなイメージです。
個別指導部は小学生から高校生まで受け持つのでそこから分かれるみたいなことはないです。

一応個別指導も個別指導本部と、各教室に分かれるみたいなところはあります。

そして役職として個別指導に関しては
・個別指導部代表(個別指導全校舎を統括する一番偉いひと)
 ・エリアマネージャー(エリアの全校舎を管理する)
  ・地域マネージャー(地域の全校舎を管理する)
   ・校舎教室長(校舎の教室長として教室マネジメントを行う)
   ・校舎事務(校舎の事務処理を行う)
    ・校舎バイト講師(校舎の講師として授業を担当)

エリアは県全体
地域は市全体みたいな感じです。

私がいたときは、個別指導部全体で校舎数が100くらいありましたので、エリアマネージャーは15~20校舎くらい、地域マネージャーは4~7校舎くらいを管理するようなイメージです。

さて入社した自分の役職はというと
「校舎教室長」です。新卒で教室長です。一家の主です。

基本的に1校舎に
・教室長(正社員)1人
・事務(パート)1人
・バイト講師(大学生)1人~10人ほど

のような割り振りです。教室の在籍生徒数によって多いところはバイト講師の数も多いですし、少ないところは少ないです。また駅が近ければ所属校舎だけでなく、近隣校舎でもコマを持ってもらうことが多いです。

年間カレンダー

塾講師は学校の先生と違ってお金をもらって教育サービスを提供する会社員です。企業に所属しているのでもちろん目標があります。例えば
「入塾数」「コマ数」「在籍数」「合格実績」などです。

私の会社では「2月~5月」、「6月~9月」、「10月~1月」の期間でそれぞれ上記のような目標のノルマ数を達成するべく日々の教室運営を行っていました。

校舎の規模や、過去の実績から個別指導本部がノルマ数を設定、期間終了までに各校舎はノルマを達成するように動きます。

「塾講師は授業をするのが仕事」という言葉は正社員塾講師には当てはまりません。生徒の成績アップや授業、受験対策は手段であって目標ではないのです。目標はノルマ達成、売上アップです。

個別指導教室長の主な業務内容

思いつくものを箇条書きで。

・教室整備
・集客行動
・授業
・バイト講師への指導
・時間割作成
・各種講習案内
・問い合わせ対応
・保護者面談
・中3入試対策

教室整備はそのままで掃除、コロナが流行り出してからは消毒なども。
点数アップや定期テスト高得点者の掲示物作成、各種案内の掲示物張り替えなども。

集客行動は個別指導塾講師の核となる業務です。結局生徒がいなければ教室運営は成立しないので、最重要業務です。

保護者が塾を知るきっかけは大体以下の3つです。
・インターネット
・ママ友からの紹介
・新聞広告

特にほとんどがインターネットです。いろんな塾の資料をまとめて請求できるポータルサイト(塾○ビ)があるのでそこからの問い合わせがほとんどでした。そこにはメールアドレスや電話番号が記載されているので、スピード意識して電話をかけていました。

「塾選び」というくらいなので、保護者側もいくつかの塾から選定します。そのため他塾との取り合いです。資料請求のメールが来て1分遅れて電話したらもう架電(他の塾と通話している)中みたいなことはしょっちゅうありました。東京は塾が乱立しすぎて取り合いというレッドオーシャンな状況でした。

こうして資料請求されても実際に入塾まで繋がる生徒は数えるくらい。
保護者の方にお伝えしておきますが、資料請求の際の個人情報は会社に残ります。生徒管理システムみたいなものがどの塾もあるため、そこに蓄積されていきます。

一度資料請求した塾からちょくちょく「○○講習の案内」のような封筒が来るのはそのためです。

電話番号もわかっているので教室から電話もかかってきます。私の会社ではこれを「集客電話」と呼んでおり、これをやってるかどうかが努力しているかどうかの指標みたいな風潮でした。要は電話営業です。

つまり塾講師は営業職なんです。
これを知らずに塾講師になると入社前ギャップ起こします。

授業はそのままです。教室長ももちろん授業するので担当生徒の授業コマが入っている時間には授業をします。
ただ先にも述べたようにメインの業務は集客行動です。よって上からは

「教室長は授業をあまりしないように」

というクソみたいな命令をされてました。1日の授業コマ数は○コマ以内にしないと怒られてました。なるべくバイト講師にコマを振って自分は体を開けておく。突然の問い合わせや、面談、集客電話をメインで行えるようにという意図らしいです。

確かに教室長にしかできない業務はあっても、バイト講師にしかできない業務はありません。かといってメインの授業をなおざりにするのは違います。

辞めるきっかけになった文化ですね。

バイト講師への指導は、この生徒にはこの授業内容をしてほしいとか、新しい先生への授業のやり方の指導ですね。

自分と同じくらい動けるバイト講師がいると非常に助かるので自分の分身を作るつもりでやってました。

時間割作成は自分含めどの講師にどの生徒の何の教科を割り振るかの時間割作成です。バイト講師も入れる曜日や担当できる教科、学年がバラバラですし、先述した教室長は授業コマ持つなという制約もあったのでめちゃくちゃめんどくさかったです。

夏期講習などになるともっと地獄で、早い時間帯のコマも増えるし、生徒の取るコマ数も増えるのでしんどかったです笑

また部活の時間が変わって時間帯や曜日を変更したいなどの連絡も保護者からあるのでそれにも都度対応しないといけなかったですね。

各種講習案内は春期講習、夏期講習、冬期講習でのコマ数の案内や指導内容、料金説明などです。システムが決まっていて何コマ取るかも決まっているのでそれをしっかり保護者に電話や直接面談などで説明する必要があります。特に料金の部分はクレームになりやすい部分なので必ず内訳とセットで伝えるようにしていました。

問い合わせ対応は資料請求してきた保護者や飛び込みでの保護者へ営業かけて入塾につなげる動きですね。
ただ「いきなり入塾しませんか?」で入塾するわけないです笑。基本的にどの塾も体験授業をやっているので、まずは体験授業への申し込みをしてもらって、授業を受けてもらう→気に入ったら正式に入塾という流れが一般的かと思います。
そのためまずは体験授業への申し込みをしてもらうこと、これが目標になります。

私は問い合わせしてきた家庭に

・なぜ問い合わせしたのか(塾探しのきっかけ)
・お子さんの学年、通っている学校
・塾に通わせることでどうなってもらいたいか

を聞き出して体験授業どうですか、と案内しておりました。

この辺りの話は詳しく別の記事でまとめようかと思います。

保護者面談は多岐に渡りますが、まだ入塾していない家庭との面談と、すでに通ってくださっている家庭との面談の大きく2つに分かれます。

まだ入塾していない家庭との面談は
・お子様の状況を聞き出し、体験授業でこうしたことやってみませんかと体験授業を受けてもらうための面談
・体験授業を受けた後で、生徒がどうなったかを伝え、入塾しませんかとクロージングする面談

などがあります。ここも1人の生徒が入塾するまでの業務フローみたいなものを別でまとめようかと思います。

上記の面談は塾講師最大の業務の生徒確保、売り上げアップに繋がるので大事なのですが、すでに通っている家庭との面談も同じくらい重要です。

退塾を防ぐためです。

具体的面談では、最近のお子様の様子を伝えたり、家庭で困っていることはないかの聞き出していました。

この辺りも別途またまとめたいと思います。

中3入試対策は私の働いていた塾では小中高全てが対象とはいえ、メインの客層は中学生です。
そのため個別指導部全体でも特に中3の入試実績にはこだわっていました。

夏を終えて9月ごろから中1からの総復習、模擬テスト実施などの入試対策を中3に向けてやっておりました。正月にはお正月特訓もありました。


最後に

ダラダラと長文書いてしまいましたが、ざっくり塾講師が何をしているのか伝えれば幸いです。

次の記事で給料や休日数、1日の仕事の流れなどまとめていこうかなと思います。




























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