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施政方針演説を読んで②「金は出す。だが、増税だ」

前回は岸田政権のコロナ対策について書きました。

今回は岸田総理が一番分量を割いて話していた「新しい資本主義」について、鈴木財務大臣の財政演説と山際経済再生担当大臣の演説の内容と合わせて、その実態を見ていきます。

※前回のがこちら

・いっぱい予算組んだから金は出す。しっかり増税しますけど(笑)

 いや~本当に最悪なんですよね。いつまでも医療体制拡充で、お金出しましたけど足りないからさらに出すという方針です。

さらに財政出動をしながら、財政再建を目指す宣言は事実上の「増税宣言」です。

今の日本における財政出動というのは「財政赤字の拡大」を意味しています。その上で財政再建も目指すというのは、「財政出動した分は回収するから」ということです。

「いやいや。じゃあ予算減らせよ」と私は思いますが、政府はそんな気持ちも知らないでお金を出しまくります。

 しかも過去最大の予算です。さらに昨年の第三次補正予算も含めて大盤振る舞いです。これだけ聞いたら嬉しい人もいるかもしれないですが、最後には皆さんの財布から回収されます。

赤字の拡大はダメと言いながら、過去最大の支出ってどういうことって思いますけど、鈴木財務大臣の演説によれば十分に歳出削減の努力をした結果だそうです。

嘘だろ。努力して過去最大なら、しなかったらどうなっちゃうの?

この岸田政権のお金を出す方針は経済政策の派閥でどこに所属しているかによって良い悪いの判断は違うと思いますが、増税にはみんな反対だと思います。

今年の参院選で自民党が勝つと、増税は確定です。くれぐれも特定の議員に惚れ込んで自民党に一票なんていれないで欲しいですね(切実)

・これまでの格差は全て市場が悪い

「え、自由民主党って『社会主義政党』でしたっけ?」

 岸田総理は「公正な分配」ができない理由は「新自由主義的な市場重視」にあったといいます。

申し訳ないですけど、アベノミクスは市場に介入してましたので市場重視ではないですよね。アベノミクスが左派政策だったことは各地から言われていたことです。

 平成以降の日本政治において自由主義を本気でやった政権はないです。小泉政権がという人がいるかもしれませんが、欧米と比べたら緩いです。

岸田総理はこれまでの日本政治を大きく誤解しているようです。格差是正のために分配を重視し始めた瞬間から岸田総理の言う「新しい資本主義=社会主義」なのです。

・成長も分配も政府にお任せ

 この岸田総理の演説で何よりも驚いた文言は「五か年計画」です。ここは「ソ連」それとも「中国」ですか?

しっかりと政府が社会を主導していけるという計画主義を実践しようとしています。これは政府による市場に対する規制が増えるという点で自由主義者には問題と認知されると思います。

 経済成長は市場の活性化によるものではなくて、政府が主導して達成するようです。山際大臣による演説の内容を見ると、デジタル・イノベーション・気候変動に投資(税金の投入)をするとはっきり宣言しています。

さらに岸田総理は演説で、目標となる経済社会像について「持続可能な社会」をあげています。そしてこの社会像を目指して官民一体となっていこうと宣言しました。

目指す社会像の方向性も自由に決められないようです(笑)
日本はますます自由経済から遠ざかることになりそうですね。

投資と言えば聞こえはいいですが、医療体制に相当額つぎ込んで、未だ医療体制が危ないと言われる日本社会で、結果の出る投資ができるのでしょうか。私は疑問です。

 次に分配ですが特に中小企業に向けてのものだそうです。大企業にも春闘での賃上げ要請をしていました。

中小企業の賃上げを行うために富裕層からお金を取りそうな気がしています。

今回の岸田総理の演説を聞いた立憲民主党の泉代表が「金融所得課税についての言及がなかった」というような発言をしていましたが、岸田総理は株式市場を気にして発言しなかったのではないかと思います。

ですけど、やる可能性は高いです。何故かというと山際大臣が「株式市場は意識しない」とテレビ番組内で発言しているからです。

金融市場と実態経済の関係性についてはあまり関心がないようです。こういう岸田政権の株式市場軽視の経済政策について楽天の三木谷社長は批判しています。

 岸田政権は「新しい資本主義」の骨格をこれからまとめるそうですが、その内容によっては再び「Kishida Shock」になりかねませんね。

次回は岸田総理の外交方針について書きます。これまた新しい概念を発表したので困惑です( ;∀;)

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