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今年の参院選に向けて日本維新の会は何をするのがいいのだろう

 今年の7月に参議院選挙があります。各政党はこの選挙に向けて通常国会で有権者にアピールしていくことになります。

 このあいだ、衆議院で行われた日本維新の会の馬場代表の代表質問から日本維新の会が参院選に向けてどのようなアピールを有権者にするかを考えていきます。

・日本維新の会は政権政党になるビジョンが見えない

 日本維新の会は昨年の衆議院選挙で議席を増加させ、今や立憲民主党に次ぐ野党第二党になりました。

日本維新の会の今後の成長を、主に日本維新の会の支持者は期待しています。日本維新の会は立憲民主党よりも政党支持率が増していて、今年の参議院選挙はこの勢いを維持するかどうかの重要な局面であると考えられます。

 ですが、日本維新の会は立憲民主党と明確に違う点があります。それは党代表が衆議院議員ではないということです。

これは政権与党になった時に総理大臣になる人の顔が見えないということを意味します。

立憲民主党が衆議院で過半数の議席を獲得した時、今の立憲民主党の代表である泉代表が総理大臣になります。

一方で日本維新の会が衆議院で過半数の議席を獲得した時、総理大臣になるのは誰なのでしょう。日本維新の会の代表である松井一郎氏は大阪市長で衆議院議員ではありません。

きっと共同代表である馬場伸幸衆議院議員が総理大臣になることが予想されますが、本当にそれで党内がまとまれるのかというのは疑問です。

 有権者や日本維新の会の支持者も日本維新の会の代表と言えば、松井市長や吉村大阪府知事で、有権者の多くは馬場共同代表については印象がないかもしれません。

日本維新の会を率いているリーダーは誰なのか。それは吉村大阪府知事なのか、馬場共同代表なのか。松井市長の政界引退は決定事項ですから、はっきりさせないといけません。

・叩くよりも仕事するのが一番

 日本維新の会は自民党だけでなく、立憲民主党とも戦わなければなりません。馬場氏は代表質問の際には岸田総理に質問しながら、立憲民主党を批判していました。

この立憲民主党批判は一部自民党支持者の票を奪うことにはつながるかもしれませんが、全体に効果があるかというと疑問です。

2009年の衆議院選挙で当時の民主党が自民党を倒して政権交代ができた理由は無党派層の票を手に入れたからです。

ですので、無党派層の票を手に入れることに注視すべきで立憲民主党を批判して政治に関心のある人の票を他政党から持ってくるよりも、無党派層に仕事している様をメディアを通して発信すべきだと思います。

岸田総理の政策に対して、欠点の指摘と独自の補強策の提案をして、比較優位性を可視化することが大事だと思います。これは対立構造さえ煽らなければ、自民党よりマシだと思わせることに繋がると言えます。

国民が与野党の対立構造に呆れた原因というのは、メディアのネタになる特定の「不祥事」について方々で対立し続けたからです。

ですから、ネタを複数用意し全ての事案で建設的な議論をしているように見せるのが大事だと思います。ですから地道な仕事(公約・話題性のある政策)の達成で地味な魅力をアピールしていくべきだと思います。

では何をネタとして用意すべきかというのが重要です。維新は身を切る行政改革が売りですのでそれに絡めた政策が利用できます。

1.コロナの感染症法の扱いを五類にする建設的な議論

 馬場氏は岸田総理に「これまでのコロナ対策が効果があったのか検証すべきだ」と提案していました。そしてコロナの感染症法の扱いを五類にする提案を続けてしていました。

コロナは未だにメディアが好むネタの一つです。すでに話題性があります。

ですから、日本維新の会が独自にこれまでの自民党のコロナ政策を検証して、コロナを五類にすることのメリットを提示して自民党と議論することが効果的だと言えます。

岸田総理は現在のコロナの扱いについて変更する気がないことが方々で明言しています。ですからこの話題は重要です。

2.減税と規制改革

 減税について昨年の衆議院選挙で公約に掲げた政党は方々にありましたが、未だ動きは見られません。やはり減税政策の挑戦はそれだけで大きな話題性を持ちます。

国民の多くは環境対策、外交などに関心はありません。自身の生活と経済に関心があります。ですから消費税の減税、所得税の減税は大きな支持が見込めます。

日本維新の会は資産課税について議論をする傾向が出てきているようですが、増税議論はするべきではありません。

岸田総理は健全財政、金融所得課税について触れていますので、参議院選挙で勝利したら、増税することは明確です。

ですから、増税議論は自民党に任せて日本維新の会は公約に掲げた減税議論を進めていけばいいのです。

3.政府の無駄を暴く

 日本維新の会の小野たいすけ議員が取り上げた文書交通滞在費の問題は大きな話題となりました。

日本維新の会は「身を切る改革」を訴えて、行政の無駄の縮小を訴えている以上、政府の無駄を明らかにしてこれを解消しようと自民党と議論するのは効果的だと思います。

 メディアも自民党を攻撃する材料を常に探していますから、この税金の無駄を指摘し岸田総理に改善を求める構図が報道されれば、国民のために仕事をしている政党だという印象を持たれると思います。

今回の馬場氏の代表質問の中には、「特別委員会は無駄ではないか」という問題提起がありました。この話題を大きくするのは重要です。

国民の多くは国会の議会構造を知りません。日本の国会は本会議で政策を議論しているのではなく、政策ごとに委員会を設置して個別に議論しています。

この特別委員会の無駄というものを明らかにして丁寧に指摘すれば、議会の無駄が改善され、税金の無駄の解消ができます。

こういう丁寧なわかりやすい行政改革を岸田総理と議論するのはメディアの力を得やすいのではないかと思います。

・終わりに

 岸田総理は政権の大まかな方針はわかっていて、細かい政策が見えてはきませんが、だからこそ細かく指摘することで議論を優位に進めることができると思います。

やらない方がいいことは立憲民主党と自民党に対して過剰な批判を行うことです。国会議員のやることは他政党の批判よりも、支持者に約束した公約を守ることです。

ですから、攻撃よりも指摘、丁寧な議論による穏やかなメディアパフォーマンスが大事になってくると思います。

 増税議論は自民党に任せて、極端な自民党批判は立憲民主党に任せて、メディアが好みそうな議論を複数用意して多方面から岸田政権を攻撃する。

これができれば、支持率の増加により無党派層からの一定の支持増加が狙えると考えられます。特に近畿地方と関東地方での票増加が大事ですね。

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