言葉は風土を体現する(日本語・英語・韓国語)

その国の言葉と、文化・風土って密接に繋がってるっていいますよね。
日本は雨がたくさん降るから、日本語には雨を表現する言葉が多い、とか。

前回、韓国と米国の語学学校について書きましたが、
今回は英語と韓国語を勉強し始めたときに、
へーー!と筆者が思ったことを記載します。
(ちなみにどちらも未だ初心者レベル。とほほ)


男/女や年上/年下の区別

子どもの頃初めて英語を勉強したときにビックリしたのが、いちいちHeとかSheとか、男女を使い分ける点
えー、それむっちゃめんどくさいじゃん!いちいち確認しなくちゃ話せないなんて!
って思いました。
だって「○○病院通ってるんだけど、お医者さんが優しいんだよね。この前、そのお医者さんがね…」
みたいに日本語でいうところで、英語だったらHeかSheを使うために、そのお医者さんが男女区別して認識しなきゃいかんわけです。
上の例だと自分の知ってる人の話だからいいけどさ、人の話を聞く時とか、いちいち「彼はなんて?あ、彼じゃなくて彼女?」みたいな会話するんですね。
「アメリカ人にとって、男か女か、むっちゃ大事やねんなぁ…」と子ども心に思いました。
(田舎者なので、英語に関する発想が貧困)

で、代名詞と前後してですね、身近な単語である兄弟をあらわす英単語について習うわけですね。

英語の先生: 「私には姉がいます」の姉はsisterで、妹もsisterだよ!
心の声: えー、姉も妹も同じなの?雑すぎない?私にとってお姉ちゃんがもし妹だったら全然違う存在だけど、アメリカ人にとってはどっちでもいいわけ?

もちろんolder sisterとかyounger sisterとか形容詞をつければ区別できるんですが、
単語一個で表せるってのが、
その国の文化に置ける重要性を表してると思うので、
私にとっては年上も年下も一緒くたなのは衝撃でした。

図にするとこうなりますね。

ええんです、年上か年下かなんて…って感じ



で、それから大分時は流れて、大人になり、
仕事の都合で韓国語を少しだけ勉強することになりました。

日本語と韓国語ってかなり似てるんですね。
文法も一緒だし、漢字の言葉も一緒だし、慣用句のような言い回しも似てるんだけど、
兄弟姉妹の言い方がまた日本語と違います。

日本人の私には、
男/女、年上/年下からさらに細かく分けることは思い付きませんでした。
が、韓国語は分ける

話者が男性の兄と話者が女性の兄は違うわけです。

男の子にとってのお兄ちゃんなら형(ヒョン)、
女の子にとってのお兄ちゃんなら오빠(オッパ)。

え、そこ分けるんだ!それって重要!?
衝撃再び!
もう2次元の図で表せないよ!3軸必要だよ!


で、さらにもう一つ驚きだったのですが、年上は4つに分けるくせに、
年下は弟も妹も一緒くたに、동생(トンセン)な訳です。
もちろん頭に男(남)や女(여)をつけて弟(남동생)か妹(여동생)か区別できるわけですが、
単語としては男+年下家族というつくりなんです。

韓国語は年下のどうでもよさっぷりが清々しいですね…
年上を3次元で書くのは諦めました

(今回noteを書くにあたって調べたところ、 年下についても同性か異性かで分ける言葉も存在するらしいのですが、 とりあえず初級韓国語で習わなかったので無視することにします。)


さすが儒教の国、年上の重要さと年下のどうでも良さがハンパない
この兄弟姉妹の表し方を知って、 儒教文化圏とキリスト教文化圏(欧米の男女に敏感なのはキリスト教由来ってことであってるんだろうか?)の文化の差を、言語から感じたわけです。


その他の韓国語と日本語の細かな違い

さっきもちらりと書きましたが、
韓国語と日本語って似てるんですよね。
いや、もちろん違う言語なんですが、英語と日本語の違いに比べたら、
文法が一緒ってだけでビックリ!

また、漢字由来の言葉は一緒です。
図書館が도서관(トソグァン)、などはよく出される例。

その他で個人的に、あ、そうなんだ、って思ったのが
例えば「耳が遠い」っていう表現。
日本語では「耳」と「遠い」を組み合わせて「耳が聞こえにくい」って意味になるんだけど、
韓国語でも同じだよ!
って聞いて印象的でした。

前の記事で書いた通り、私は少しだけ韓国で語学学校に通っていたことがあるのですが、
先生が一生懸命、この表現がなぜこういう意味になるのか、と言葉を尽くして生徒たちに説明しており、
欧米の生徒たちが神妙な顔で聞いているなか、
日本人の私は「あ、日本語と一緒ね」と一瞬で覚えられるので、大変なアドバンテージでした。


そんなわけで、韓国語は勉強しなくてもなんとなく感覚で言葉が通じるんじゃないか、
とナメ始めていた私。

わざわざ辞書を引くかわりに、
簡単な単語を並べて、「これって韓国語で何て言うの?」と韓国人に聞いたりしてました。


そんな時に、衝撃だったのが、
「お湯」にあたる言葉がないってこと。

私「え、だから、熱い沸騰させた水のこと何て言うの?」
韓国人「だから、뜨거운 물(温かい水)だよ」
私「えっ」

英語でもHot waterっていいますよね。
お湯にあたる言葉がない。

でもまさか、こんな近い言語の韓国語で「お湯」を表す日常用語がないのはビックリしました。


で、ここからは推測なんですが…
日本にお湯って単語があるのは、温泉があるからじゃないかしら。

日本と韓国って隣接していて気候も比較的似ているけれど、
火山地帯で温泉が湧くのは日本だけだもんね。

勝手な推測が根拠だけど…
やっぱり言葉って風土を体現するんだわ!
って心に残ったエピソードでした。



ちゃんちゃん。



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