多幸感
駅前のビストロで同僚とフレンチを食べ、ワインを飲み、家までの坂道を登る。
ただぞれだけのことで、この多幸感は何だろう。
20分ほどの坂道を、意気揚々と鼻歌交じりに登っていく。真っ暗で、静かだ。
シラフの時や、少ししか飲んでいない日には、少し怖くなって夫に電話したりもするが、ワイン1本を開けた今日は、足取りも軽い。
大好きなキャロットラペ
熟成魚とパクチーのソース
美しく焼かれたジビエ
満たされているのは胃ではない。心だ。
お酒を飲んだ日は、
もうすぐやってくる明日を想わない。
ただ、今の多幸感に包まれて、ふわふわと眠るだけ。
こうやって、人はお酒とかクスリとか、そういうものに堕ちていくんだろう。
そう思うと、幸せのすぐ先は、案外暗いのかな。
余計なことを考えながら、薄暗いキッチンに立ち、コップ一杯の水をぐいっと飲み干す。
ゆっくりメイクを落とし、コンタクトを外す。
私ってば偉いなぁ。大人になったもんだ。
今日はこのまま、多幸感に包まれて眠ろう。
あまりに中身がなくて、下書きのままだったやつ。熟成下書きに乗じて、やっぱり載せちゃいます。
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