続・アメリカから助け船? ー 「変化」を怖れてばかりでは前に進めない。
全米自動車労組(UAW)のストライキを反映して製造業の雇用は▼3.5万人減少したが、その点を考慮してもISM非製造業総合景況指数を含め総じて弱い。FRBによる年内あるいは2024年初にかけての再利上げの可能性はほとんど消滅、米国債は更に買い進まれた。
これも 「行って欲しくない方に動く」相場の原理Ⅲ。ー 「インフレ」はまだまだ続く。|損切丸 (note.com) 通りの展開で、ドル円ロングの「キャリートレード」や米国債ショート(売り=金利上昇方向)にとっては逆風が続く。まあ相場とはこんなもの。嫌だ、と思う方に指標が出たりする。
だが勝負はここで終わりではない。
「金利低下」は「景気」「インフレ」の "再起動" を促す。金融引締の解除は市場流動性の改善を促し株価を押し上げ、住宅ローン金利の低下は不動産価格の再上昇を後押しする。2023年を通しての相場がそうだったが、結局コアの「インフレ」が勝って金利が上昇してきた。既に政策金利が中立金利を+1%程度上回っている今回はどうか。
株価の上昇はウォール街やファンド等投資銀行業界に余裕をもたらすため、例えば 金利差を狙った「キャリートレード」。ー 頼みの綱は「円」「JGB」|損切丸 (note.com) に傾倒する必然性も低下させる。ドル円も含む「ドル買い」全般のポジション整理が進むのはそのため。
ただ、ユーロ円が@160円台を維持していることからも判るように「円安」自体は解消が進んでいない。やはり日銀による「利上げ」が必須だ。
20年以上日本・円の相場に関わってきた「損切丸」だが、これだけ「円高」「金利上昇」を好感する日経平均、TOPIXを見るのは初めて。先物で見るとおそらく週明け(11/6)の日経平均は+700円以上の急反発。本当に日本の経済構造と時代の変化を強く感じる。そう言う意味で「昭和」の脱却が目に見えて進んでおり、この点はポジティブに捉えて良いだろう。
最近こういう記事も増えたし「損切丸」にご質問される方もいた。日本はもう20年以上ほぼ ”ただ” で「お金」が借りられる状態が続いたので「金利」については思考停止状態。それでも勝手にモノの値段が下がったデフレ期は考える必要もなかったし、ひたすら「待ち」の姿勢でやってこれた。
だが「インフレ」ではそうはいかない。全ての事がひっくり返る。
物価が上がっていく状況では能動的に動くことが要求される。住宅ローンの話がわかりやすい例だが、このリスクに晒される感覚が非常に大事。事業でも「投資」でも、人任せでは無く自分で考える事が必要になる。
「投資」で考えると*「金利」という選択肢が増えることは非常に有意義。みんなもっと考えるようになる。
長い間「金利」も含め「変化」に晒されてこなかった日本人には戸惑いがあるかもしれないが、この ”ヒリヒリ” した感じが人も経済も成長させる。
元々不良債権処理の時間稼ぎのために導入された「ゼロ金利政策」はもはや不要。当初2年間限定で導入されたはずの「バズーカ」も一時的にマーケットを動かす効果はあったが、いつのまにか常態化してしまい財務省に利用されてしまった。▼20円以上もの「円安」を誘発してしまった「国債無制限指値オペ」は最悪の愚策。もう終わりにしなければいけない。
何もしなかったのは「選挙」も一緒。「インフレ」下では ”お上” は救ってくれない。リスクにおののきながらも自らの身は自ら守る必要がある。「投票」も能動的アクションの1つ。「変化」を怖れてばかりでは前に進めない。「増税XXメガネ」なんて "悪口" は感心しないが日本人の意識が着実に変化してきている証左にはなろう。
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