「米中首脳会談」と「原油安」と「ルーブル高」。ー これは偶然なのか。
原油価格と中国CPIと年内選挙先送り。|損切丸 (note.com) から繋がりで読んで頂けるといいかもしれない。
WTI(NY原油先物)の動きがおかしい。あれだけ「OPEC減産」を囃して持ち上げていたのに、さしたる材料もなく急落。これは何を意味するのか。
筆者は陰謀論者ではないが政治と相場は密接に関係している。確実なデータはお示しできないが、どうも米中が歩みよりを始めた頃から相場の流れが変わった。おかしな動きはあちこちで見られる ↓
折しも1年振りの米中首脳会談が行われたばかり。70歳を超えたご老人同士が相変わらずの作り笑いで気持ち悪いが(苦笑)、表向きのニュースだけが会談内容ではない。記者も知っていて出せないネタがあるはずだ。相場にとっては "裏” で決まった事の方が大事。おそらく限定されたルートで伝わっており、その中にはウォール街の重鎮が含まれる。
まあ我々小市民はニュースや相場の動きで察するしかないが、これらは全て連動している。筆者が注目しているのが主要国CPIの急速な鈍化。マイナスに戻った中国(オランダも▼0.4%)、米英欧とオーストラリアの急落。世界的に物価が沈静化していると考えていい。
「利上げ」効果と前向きに捉える事もできるが、やはり深刻な中国の不良債権問題が "核" 。不動産価格の下落、高い失業率など中国経済はもう目一杯。アメリカも中国経済の壊滅的な破綻は望んでおらず、ここらで一旦蛇口を開けておこうと考えても不思議ではない。
では欧米に余裕があるのかというとさにあらず。特にヨーロッパはマイナス成長も見込まれ青息吐息。自動車を中心に日韓を超える ”中国傾斜” をしてきたドイツは深刻だ。経済の4割を頼っているという推計もあり「中国コケればドイツがコケる」。今回欧州株の中でDAXが突出して急反発しているのが証左だろう。ドイツがコケればヨーロッパがコケる。
ここで面白いのが、突然の「ルーブル高」。
なぜ一時的にドルルーブルが@100に乗せたかというと、これは「戦争」の武器調達の為。どの国も武器産業もルーブルで武器は売ってくれない。やはり「ドル」が必要で、そのための「ルーブル売り」だった。同時にロシア国債の10年物が@13%台に乗せるなど金利の上昇基調も続いていたが、「ルーブル高」と同時に@12%割れまで急低下。*「戦争」が拡大に向かわなくなった事を「お金」の動きは示唆している。
中国も本音では「戦争」を支援する余裕はない。アメリカも予算を使い果たし大統領選を控え世論も厳しくなっている。相場の動きも考え合わせると今回の "手打ち" に「休戦」が入っていると推察できる。米中が支援を止めれば「戦争」は終わる。イスラエルでの紛争勃発もあり "片方" を終わらせたいはず。
"片方の戦争" が終わればエネルギー問題には一定の解決が見られ「インフレ」要因の一部は除去できる。FRBが「利上げ」休止できたのにはこういう背景もありそうだ。
反アメリカで減産を主導してきたサウジなどOPECも、実は価格が上がっても売る量は減っておりあまりうれしくない。米中欧の経済が後退して需要が死んでしまっては元も子もない。まして中東で事が起きれば尚更だ。
「損切丸」の頭の中ではこういう "推定" が渦巻いている。現役の時も強く感じたが、相場は "裏” で動いている。本当に必要な情報は一部に秘匿されており、どうしても個人は不利。「買ったら暴落、売ったら急騰」なんて愚痴をよく目にするが、ある意味仕方が無い。 "推定" して少しでも「損」を回避すべく努力するしかない。
そういう複合要因が交錯する中、「ドル円」はまるで木の葉のように舞っている。相変わらず執拗な「キャリートレード」の需要が見られるが油断は禁物。「休戦」「米中和解」の流れになれば「インフレ」は抑制されFRBによる「利下げ」は前倒しになる。「キャリートレード」は万能ではない。1998年にLTCMが破綻した時は3日でドル円が▼25円も急落した。相場にハシゴを外されないように気を付けたい。
ハシゴを外すといえば日本も今回の動きは要注意。アメリカがいつも日本の味方とは限らない。過去に何度も煮え湯を飲まされている。支持率が急落している現政権では何とも心許ないが、反中露で凝り固まっていると事態が急変する可能性もある。その辺りがわかっているから日銀が「利上げ」に慎重なのかもしれない。まあそういう事にしておこう(笑)。