「利下げ」期待を完全には排除しなかったパウエル議長。続編。ー "金利は株やFXとは違う"。
「利下げ」期待を完全には排除しなかったパウエル議長。|損切丸|note の続編。
想定を大きく超えた米雇用統計 ↑ で、ウォール街が煽った② ”クラック” シナリオ ↓ は①「利下げ」できない方向に大きく修正を迫られた。
発表前の「利下げ」予報:
発表後の「利下げ」予報は大きく後退:
どの国でも国債市場を牛耳る銀行は「お金」を扱う性質上、どうしても「製造業」に目が向く。自らも「大リストラ」を敢行中でもあり「相当な不況」に見えてしまうのだろう。だから「早期利下げ」が正解になる。
ところが日米欧のいわゆる先進国はサービス業などの「非製造業」が中心の社会に移行しており、銀行の支配が及びにくい。実際ISM指数でも明暗がくっきり出ており、現在の「雇用逼迫」から起きている「賃金インフレ」の主戦場は「非製造業」。FRBが注視している所はまさにその1点であり、マーケット、もっといえば銀行界とのギャップはそこに起因している。
聞こえてきた「資金繰り」の "悲鳴" 。ー もう "お金” や "銀行" が「真ん中」ではない。|損切丸|note でも書いたが、やはり銀行は社会の真ん中に鎮座してはいない。
1つ肝心なポイント:"金利は株やFXとは違う"
例えば1億円の個人トレーダーと1,000億円のファンドが闘った場合、株やFXなら金額の大きい方が圧倒的に有利。*ところが「金利」は違う。要になる「政策金利」を中央銀行が決める ”絶対感” があるため、1億円が1,000億円に勝つことがままある。
現在の欧米国債のような強烈な「逆イールド」だと、「利下げ」がほんの少し後ずれするだけで昨日のような売りを浴びる。一昨日(2/2)にECB、BoE(英国中銀)が揃って+0.5%「利上げ」したのに国債が▼0.20%も低下したことに "違和感" があった。
だが「相当な不況」が当たり前の銀行にとっては「利上げ」などとんでもない → 国債買い(金利低下)が正解となってしまう。ただ「政策金利」を決めるのは民間銀行でなくあくまでも中央銀行。2023年は「雇用の壁」- 蘇る ”1994年の悪夢” 。|損切丸|note を改めて認識する年になるだろう。
まあそれでもこれだけ深い「逆イールド」が残っているところを見ると、まだ市中銀行 vs 中央銀行の戦いは続きそう。2023年は "叩き合いによるサバイバル相場" を予想していた「損切丸」としてはある程度想定内だ。
ここまでの相場推移を見ると「2022年に儲かった相場」 ↓ の "逆" が1つのテーマなのがわかる。
④ビットコイン⑤WTIは市場規模が違う ↑ ので単純に比較できないが、上がっていたものは売り、下落していたものは買いで進んでいる、いわゆる ”いじわる相場” (2021年終値比参照)。
ただ①金利:米国債は気を付けた方がいい。
確かに金利系のファンドに「お金」は流入している。これは2022年央に米国債金利が@3%に達した時にも起きた現象で、「お金持ち」が何%かを金利の「固定収入」(fixed income)に振向けた結果。銀行やウォール街がそれを膨らましていると考えるのが妥当だ。HFT(高頻度取引)などの機械取引も動きを増幅する。
「金利」の場合、最終的には**いかにパウエル議長や黒田総裁と息を合わせられるか、が勝負の分かれ目。次の ”山” は2/14発表の1月米CPIだが、議長の言うように "a lot of work left to do” となりそうな雲行きである。
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