今の「値上げ」は「インフレ税」。結局は「お金」の問題。
6/6 日銀黒田総裁「日本の家計の値上げ許容度も高まってきている」
この報を受けて、さすがにネットが荒れている。お給料が「値上げ」程上がらない中、みんな怒るのは当然だろう。
”バズーカ” 以来の金融政策を自身で擁護するしかないので、こういう「浮き世離れ」した発言にならざるをえないが、トップエリートの官僚は一般庶民の生活など眼中にない。あるのは「保身」と「出世」だけである。
政治的には「アベノミクス」と歩調を合わせた「ゼロ金利」「マイナス金利」「量的緩和」「イールドカーブ・コントロール」(YCC)だが、総裁はバリバリの元・財務官僚。「インフレ目標」は ”隠れ蓑” に過ぎず、政策運営の肝は「国債管理政策」だ。踏み込んで言えば「財政健全化至上主義」に基づいた「インフレ税」であり、国の「借金」を減らそうとしている。
まあ 我々は今「インフレ税」の真っ只中にいる。 ー 3京円もの「借金」を抱えた "財務当局" の狙いとは。|損切丸|note についてはFRBもECBも同様の「課題」を抱えており、日銀だけ槍玉に挙げるのも可哀想な気もするが、アメリカでは 値上がりの時代。|損切丸|note に ”バイデンフレーション” の衝撃。|損切丸|note に我慢できなくなった米国民に「金利所得」を戻すべく「利上げ」せざるを得なくなった。これはガス、電気料金の高騰に見舞われた欧州も深刻で、ECBは今後かなり早いペースで「利上げ」をしていくことになる。
そんな中、唯一「利上げ」に向かわない「円」が売られるのは至極自然でもあり日銀が批判されるのはしょうがない。だが筆者の知る限りトップ・エリートは多少の批判で動じたりはしない。彼らの ”目” を見て貰えば判るが、その瞳は光を失った ”魚の目” であり一切の感情を排除している。確かにそのぐらいでないと生き残れない過酷な世界ではある。
だから小市民がいくらネットでギャーギャー騒ごうが動じたりはしない。アメリカのように大統領支持率が@40%を割り込めば別だが、そうでなければ財務省の利払いが増える「利上げ」に動いたりはしない。政権支持率が@60%を上回っている=「値上げを受け入れている」という解釈になる。
そもそも日本の「資金繰り」は「預金」1,000兆円と「国債」1,000兆円が同居する特異な構造 ↓ 。日銀がこの1,000兆円を繋ぐ「循環器」だ。
「利息所得」を単純化すると、+1%の「利上げ」は財務省 → 国民(預金者)への10兆円の所得移転を意味する。「消費税」@10%の税収が約+20兆円だから、財務官僚(含.日銀総裁)にすれば「利上げ」などとんでもない。*せっかく「消費税」で20兆円巻き上げたのに「利上げ」したらフイになってしまう。
欧米のように「革命」など急激な変化を望まないのは日本人の特性でもあるが、この「金利@1%」≓「所得10兆円」を巡る闘いは「国」 vs 「国民」の直接対決。愚痴を言ってばかりでは状況は変わらないので「行動」で示すしかない。「国民」側にはどういう選択肢があるのか。
一番簡単なのは「お金」を使うこと。
最近のアンケートで30%を超える人が「投資に回すお金がない」と回答しているので逆説的でもあるが、問題は**「過剰な預金」。「コロナ緊急貸出」でさえ借りたお金をそのまま「預金」している人が多い。この「不安」に「国」がつけ込んでいる。
もう一つは「円」を諦めること。
既に 「シルバーデモクラシー」に "静かな反乱" 。 ー 「お金」の ”脱・日本” 。|損切丸|note でドルを中心に「お金」の ”脱・日本” は始まっているが、「資産防衛策」として、特に将来海外に出る可能性のある人には有効。留意点は2つ:
これ以上「円安」が加速して「インフレ苦」が顕著になり「政権支持率」が落ち始めるのも日銀・財務省にとっては黄色信号になる。その時は1週遅れて欧米を追うだろう。「我慢強い」のもこの国民の特性だが、その分一度 "逆" に動き始めると一方的になって誰にも止められなくなる。40年に渡る「バブル」→「デフレ」がその最たる例だ。
「日本人は恐ろしい」
香港でもローカルスタッフに言われたし、イギリス人、アメリカ人にも同様の指摘を受けた。「そんなに我慢しなくていいのに」。突如 "反転" する様は日本人以外には理解しがたい。2022年だけで@115円→130円と▼13%も安くなっている「円」だが、ひょっとすると「序の口」なのかも。煽るつもりなどさらさらないが、「外の目」は日本人をそう捉えている。
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