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「インフレ」は人を駆り立てる。

 ガザ地区からロケット攻撃 イスラエル報復 首相 “戦争状態に”

 正直目を疑った。パレスチナから5,000発ものミサイルがイスラエルに撃ち込まれ「戦争状態」に陥ったという。「行って欲しくない方に動く」相場の原理Ⅲ。ー 「インフレ」はまだまだ続く。|損切丸 (note.com) なんて投稿した直後だったが、最も ”行って欲しくない方” である。

 こういうのを見るとやれ「円安」とかウォール街のボーナスとかは「金持ちの戯れ言」に過ぎないと思い知る。 ”首” とか言っても所詮「お金」の多寡の問題であって命を落とす訳ではない。「戦争」は掛け値無しの命懸け

 そもそもウクライナを含め様々な地域紛争は「脱炭素」が出火点*中東の産油国やロシアは原油やガスなどエネルギー資源が命綱。それを欧米側が「要らない」と切り捨てた事が問題の始まりだった。

 *ロシアのウクライナ侵攻の引金になったのが「年金問題」平均寿命が男性60歳、女性73歳の国で65歳からの支給を言い出したというから、もうこれは「年金は払わない」に等しい。政権上層部の賄賂や不正貯蓄で「お金」が無くなったからだろうが、求心力維持のために「侵攻」が必要になった。味方を後ろから撃つ ”督戦隊” なるものがあって兵士の命など何とも思わないような戦いぶりだが「人口が減ってむしろ好都合」。イデオロギーとか偉そうな事を言っても、結局「お金の戦争」だ。

 確かに地球温暖化は大問題だが「脱炭素」を急げば食えなくなる国が出るのも「お金」の "FACT" (真実)。自動車業界等の "利権" が絡んでいるとは言え、欧米が ”綺麗事” を盾に急旋回したことが今の事態を招いている。

 そしてもう一つの "FACT" が「戦争」には「インフレ」が付き物という事。「インフレ」は人を暴力に駆り立てる。これは「戦争」に限らない。

 日本では "闇バイト" で銀座の宝石店に白昼堂々強盗が入ったが**「デフレ」期には考えられなかった犯罪だ。自らの意志と関係なく勝手に物価が上がるので「奪おう」という衝動に駆られる

 **物価と共に「お給料」も下がり解雇が吹き荒れる「デフレ」ではどうしても「内罰」=自分が悪いという方に気持ちが向かう"刃" は外では無く内に向かい、自身を責める結果引きこもったりするようになる。「インフレ」が引き起こす暴力性とは対照的だ。

 今やBRICSの一因として経済的にも復興しているブラジルもかつて「ハイパーインフレ」に苦しんだ。首都・リオデジャネイロは "犯罪都市" などと不名誉な呼称がつけられていたが、警察官まで強盗、略奪をする有様だったという。「インフレ」で食えなくなると人は暴力に向かう。今も国債金利が@11~12%もの「高金利」にあるのはまだまだ「お金」が足りない証拠で、今回の「インフレ」は嫌な過去を思い起こさせているかもしれない。

 それでは「お金持ち」日米欧が安泰かというと、実はそうではない。こちらの問題は「貧富の差」拡大から来る「社会の分断」顕著なのはアメリカだろう。平均賃金が日本の倍以上という議論もあるが、中味は大勢の「年収3万ドル以下」と数十億円を稼ぐ一部の富豪の平均値。社会保障も日本のように整備されておらず、病院に行って注射を打ったり薬を貰ったりするだけで何万円もかかったりする。救急車もタダではない。こうなるとまさに「命のお金」***良く起る銃乱射事件などの社会背景となっている。

 ***「トランプ現象」が象徴的。議会襲撃を煽った人物が未だに次期大統領の有力候補に留まっている所にアメリカの "闇" を感じる。支持派と反対派のやり取りはいつも暴走気味。それだけ生活に困窮するアメリカ人が増えている証拠で一種の ”内戦状態” 。折り合う雰囲気が漂ってこない。もっともこのおじさん、そういうのを上手く利用しているとも言える。

 先日のドイツ地方選挙でも「移民排斥」を訴える急伸右派が台頭したり、生活に余裕がなくなってきている。食えなくなれば他人の事など構っている余裕はない、まして他国の民族など...。危険な兆候はヨーロッパ全土に広がりつつあり、政治的に不安定な状況が続く。

 今回のハマスの件も、裏で中露+イランが関わっているのはほぼ確実で一種の "攪乱作戦" に出ている。不良債権など「お金」の問題を「戦争」で有耶無耶にしようとするのは良くある手口。まして独裁国家なら尚更だ。Far East(極東)で "攪乱作戦" が展開されることなど考えたくもないが、今回のイスラエル同様、起る時はいつも突然。心の備えだけは必要。

 一応相場も見ておくとドル円の急落が気になる。相当「キャリートレード」が積み上げっていたようだが、想い出すのはLTCM破綻(1998)。丁度同じ様な水準から3日間で▼20円以上暴落した。いみじくもきっかけは「ロシアのデフォルト」「戦争」は国家のデフォルトに匹敵する巨大なリスクファクターだが、先が読めないと言う点で怖さがある。

 11、12月の決算期を控え、投資銀行業界では "仕上げ" に入る時期。今回の「戦争」でポジション整理を迫られるトレーダーも多く、前倒しでリスクの巻き戻しが起きそう。日米とも株価は反発気味なのでドル円ほどロングが積上がってはいない様だが(ひょっとしてショート?)、今日再開する米国債の動向次第では波乱も有り得る。疲れる年末相場になりそうだ。


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