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続・物価の上昇は消費マインドの腰を折ってしまうのか?

 8月ミシガン大消費者指数(速報値) 70.2 (予想)81.2(前月) 81.2

 ・現況指数 77.9 ← 7月 84.5 (▼6.6)

 ・期待指数 65.2 ← 7月 79.0 (▼13.8)

 ・インフレ期待(1年先)@+4.6% ← 7月 @+4.7%

 ・インフレ期待(5~10年先)@+3.0% ← 7月 @+2.8% ー 2013年以来の高水準

 またまた「ミシガン大消費者指数」である(物価の上昇は消費マインドの腰を折ってしまうのか? ↓ @7/17ご参照)。予想を▼10ポイント以上下回る「ウソ!」と叫びたくなるような数字。

 こうなると相次ぐ「危機」は人に「行動変容」をもたらすか。 ↓ (8/4)という疑念がまた頭をもたげてくる。

 ここ2週間ほど米国債金利は ”順調に” 反転上昇基調だったが e.g. 10年@1.36%、また腰を折られた格好。 "マーシャルのK" =「マネーサプライ(通貨供給量、M2)-名目国内総生産(GDP)」が2018年以来のマイナスに転じる ↓ など「流動性減少」を示すデータも出ていただけにショックは大きいまるで「利上げ」を拒んでいるようだ。

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 さて困ったのは米国債市場だけではない。今や「金利」が出発点となって動いているFXや株式市場も同様「ドル金利上昇」→「ドル買い」で動いていたFX市場も虚を突かれ、ドル円は@109円台に、一時@1.3700台に下落してたポンドドルも再び@1.3800台後半にまで反発

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 株式市場はもっと複雑本来これだけ消費センチメントが悪化すれば文句なく「売り」になるはずが、今や変動要因が「流動性」>「景気」になっており身動きが取れない。はしゃいでいるのはビットコイン「暗号資産」ぐらいだろうか(苦笑)。

 パウエルFRB議長の ”気持ち” (代弁)。↓ (8/11)すれば、「日本化」リスク回避のためテーパリングや利上げを先送りすることになり、米国債市場はそれを素直に反映している。もっと極端な動きを言えば、ドル金利先物市場では「プット(先物を売る権利)の売り」=金利が上昇しない方向に賭けてプレミアム受取、が加速。「利上げ」自体が消滅すれば ”丸儲け” だ。

 「感染拡大が消費マインドを冷やしている」と言う解説が専らだが、果たしてそれだけだろうか?先を見るマーケットとしては、それは一時現象に留まる可能性もあるし、根っこには何か「深刻な "分断" が生み出したアメリカ社会の大きな変化」が潜んでいる気がしてならない。こんな情勢とはいえ、アメリカ人の「貯蓄率」の明確な増加など今まで見たことがない

 「損切丸」今後のFRBの動向について見通しはかなり揺れている。おそらくパウエル議長もそうだろう。今の米国債市場がその雰囲気をよく表しており、いずれにしろ8/26~28の「ジャクソンホール」を待つ事になる。

 5年後、10年後に振り返れば「あのパンデミックが転換だった」となるのは間違いない。「米中関係」も含め、今我々は ”歴史的転換点” に立ち会っている。政治の言葉を借りれば今は「戦時中」相場が難しくて当然だ。

 「あの時ああすれば良かった...」

 そんな事にならないように、ここはやはり攻撃より「守備重視」でいい。+10万円のために▼100万円失うような "愚" は避けたいものだ。

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