「ドル建日経平均」戦略の崩壊Ⅲ ー 必死の「損切り」戦略
「ドル建日経平均」戦略の崩壊 ー 巻き込まれた「新NISA」|損切丸 (note.com)
続・「ドル建日経平均」戦略の崩壊 ー 「溺れた犬は棒で叩け」?|損切丸 (note.com) の続編
ヘッジファンド(HF)と見られる必死の「損切り」戦略が続いている。CFTC( ↑ 標題グラフ)のポジションは「円買い」に転じたそうだから、あとは「円キャリートレード」 ≓ 「ドル円」買いと「日経平均先物」買いの "敗戦処理" 。持ち上げたり落としたりと涙ぐましい努力が続く
気が付けば対ドルでポンドは+1.7%高、ユーロも年初来ほぼフラットに戻し、この3年来HFの主要戦略だった「ドル高」は完全に曲がり門。まあ米国債の「逆イールド」でコアとなる「イールドカーブ」による「金利差」を得られなかったために生まれた戦略だがもう賞味期限切れ。頼みの綱の「円キャリートレード」にも無理が起きつつあった
昨今の日経平均を見ていると、HFによる "先物売り仕掛け" に合わせるようにGPIFやキャッシュリッチ企業による「自社株買い」がぶつけられており「損切り」を拾われている。これに押し目買いの「新NISA」が加われればHFに勝ち目はほとんどない。 ”無理は通っても無理” の典型
肝心のドル円も「日経平均先物」を意図的に持ち上げようとする局面で、株、FXとも ”実需の売り" に阻まれ思ったように高値で売り抜けられない。「戦略」は完全に行き詰まっている。こういう時は "溺れた犬は棒で叩け"
ダメとわかっていて "無謀" な動きをする相手からは「むしれる時はむしっておけ」が相場の鉄則。売りも買いもHFの "無謀" を利用すればいい
そもそも「輸出立国」ではなくなった日本は もう「円安」だけで「日経平均」は買えない - 「円安」を止める "鍵" |損切丸 (note.com) 株価と「円安」の連動性は薄れている。「円安」→「株高」はHFが「ドル円買い」=「円キャリートレード」に「日経平均先物買い」を乗っけただけの "演出" に過ぎず、日銀の「利上げ」をきっかけに飽和して崩壊しただけ
だから「日経平均@40,000円、ドル円@160円に戻らないと日銀は再利上げできない」なんていうのは的外れ。*そもそも中央銀行は為替や株価のために金融政策を行う機関では無く、あくまで「物価」と「金利」の調整が主な役割。きちんと運営すればFXも株価も自律的についてくる
現在+3%近い日本のCPIについては、いずれ「潜在成長率」≓「自然利子率」の+1.0%に収束していくだろう。**「R+」(中立金利にするための上乗せ金利)は+0.5%程度と算定されており、日銀の目指す「中立金利」は「@1.5%」程度。これは財務省のJGB「想定金利」が「@1.5%」に変更された事からも伺われ、この水準を意識しているものと推定される。ただ長期低金利からの「リハビリ」が必要なため時間はかかりそうだ
押し寄せる「利下げ」の "波" Ⅳ ー 「お金」の "日本還り" がもたらすもの|損切丸 (note.com) で書いたが、ここからの日銀による「テーパリング」≓「量的引締」は+100兆円単位で「お金」の "日本還り" を示唆する。不要に煽るつもりはないが、物理的にFXでは「円高」、日本株は「買い」になる。言い方を変えれば、***開きすぎた日本と欧米の株価や「物価」「お給料」の格差が縮小に向かうことになる
だからいくら「円高」になっても筆者は「日経平均」に弱気になれない。今日もそう言う動きが見えるが、暴れる「溺れた犬」≓HFの動きに惑わされないようにしたい。いや、それどころか上手く利用したい。 ”首” がかかって負けると判っていて無謀に突っ込んでくる相手は ”恰好の獲物" でもある
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