見出し画像

「ドル建日経平均」戦略の崩壊 ー 巻き込まれた「新NISA」

 はっきりした「ドル建日経平均」戦略 - 注目すべきは「FX」フロー|損切丸 (note.com)
 
続・はっきりした「ドル建日経平均」戦略 - 欧米の ”小鬼” たちに振り回されるな!|損切丸 (note.com)
 
はっきりした「ドル建日経平均」戦略Ⅲ - ヘッジファンド ”恐るるに足らず”|損切丸 (note.com)
 
はっきりした「ドル建日経平均」戦略Ⅳ - 狙われた日本人 ≓「新NISA」|損切丸 (note.com)
 
はっきりした「ドル建日経平均」戦略Ⅴ - ヘッジの「円売り」はもう用済み?|損切丸 (note.com) シリーズの "完結編" 

 新たに「新NISA」に参入した方々には試練だが、この「過剰流動性相場」の崩壊でヘッジファンド(HF)もタダで済みそうもない。状況としては1998年の「LTCM破綻」と似通ってきた中型のファンドがいくつか破綻・精算に追い込まれるだろう

 1つ指標として注目されるのが「IMM通貨先物」(  標題グラフ)。一種のデリバティブだがTOPIX先物等と同様、3ヶ月毎の限月でポジションを閉じなければ ”現物渡し” になるので、相場への影響は ”現物” と一緒だ

 銀行と違って「お金」が潤沢にあるわけでは無いHFは "差金決済" で少額の証拠金で5倍、10倍とレバレッジをかけられる先物を好む。だから「円売り」も実弾でFXに参入するより「IMM通貨先物」の方が便利

 建玉の推移を見ると年初に@141円台で推移していたときが▼5万枚(1枚=1,250万円、▼5万枚で▼6,250億円)だったのが4月、7月と2回にわたって▼18万枚=▼2.25兆円まで膨らんでいる。*為替介入担当の財務官が ”投機” と呼んでいたのはこの事だったのかもしれない。筆者が 思ったより分厚い「円売り」 ー 「介入」と「外為特会」と「米国債」 |損切丸 (note.com) と感じたのもまさにこれ

 先頃退官した神田元財務官がインタビューに答えていたが、金融機関の知人を通してHFとも話をしていたという。当然IMMポジションもチェックしていたはず。もしそれが本当なら「介入」のタイミングが絶妙だったのも合点が行く。まさに「新時代」の財務官「介入なんて効かない!」と豪語していた向きも「お見それしました」と感心するしか無かろう。 奴らに儲けさせるな!|損切丸 (note.com) も同じ発想だが、まさに ”相手を知れ” 

 「AI」プログラムに「キャリー」プロフィット・コストを「ドル」=@5.31%、「円」=@0.1%と入力すれば出て来る答えは「円売りドル買い」。これはLTCMのショールズ博士も同じ過ちを犯したが、問題は「需給」や「流動性」を無視したこと

「あれっ、オファー(資金の出し)が消えちゃたなぁ...」

 20年以上も「お金」の足りない銀行で「資金繰り」を任された「損切丸」は嫌という程こういう思いをしたマーケットが妙に静かになったと思ったら急に「お金」が取れなくなって金利が上昇。これが「需給」がひっくり返る "臨界点" 。つまり「お金」の量は有限であって必ず終わりが来る実務を経験しないとわからない事でもあるが、これはもう理屈や理論じゃ無い

 「需給」の前ではノーベル経済学賞も「AI」も無力。今回も よほど「円高」になると困るらしい...|損切丸 (note.com) 状況になった時点で「買い」ポジションはパンパンHFも年初から「日経平均+ドル円買い」で相当儲かっていたが、この1週間でほとんど吐き出してマイナスに転じた所も多そう。こうなると "レパトリ" で益の乗った資産、e.g., ナスダック、ビットコイン、「マグニフィセント7」etc. も売らなければいけなくなる

 ただ "悲観の中に生まれる相場” というものもある。「IMM通貨先物」の「円売り」ポジションが年初の水準に戻しているということは 「円高」のマグマ|損切丸 (note.com) はかなりの部分が ”噴火”「日経平均」も「ドル円」も振り出しに戻っただけ。いや、今は相場が "逆噴射" で暴走しているため、これも ”行き過ぎ” の可能性が高い。 「落ちてくるナイフ」 ー 「金利の壁」も崩壊寸前。|損切丸 (note.com)  には違いないが冷静に動きを見極めたい局面

 ここはFRBの出番でもある。そのための政策金利@5.25%でもあり、マーケットは2025年3月までに▼1.5%もの急速な「利下げ」を "要求"ターミナルレートも@3%に接近している

 さすがに日銀が「利下げ」に転じる事はなさそうだが追加「利上げ」はしばらく見送り「金利」の面では株式市場が有利になる。「円キャリートレード」ドル=@3%、円=@1%「潜在成長率」(自然利子率)となれば利益は出ない「AI」も「円売り」とは指示しなくなる

 ここからは「新NISA」もHFもまさに ”剣が峰” 。判断を間違えれば崖下にまっ逆さまの綱渡りが続く。資金量の違いからHF>個人投資家というイメージがあるかもしれないが、こうなると図体がでかいことが不利な局面も出て来る。 ”HFおそるに足らず” 正しい判断が出来た投資家だけが生き残る"危機" は大きなチャンス。急落の後は戻るスピードも同様に速い。HFの "レパトリ" 主導なら尚更である

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?