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よほど「円高」になると困るらしい...

 Bloomberg 単独インタビュー : 「日銀は円安是正のため利上げを」-河野デジタル相

 「ドル円」の相場付きがガラリ変わった事にお気付きだろうか。これまでは「ドル売介入」の時も含めて「円高」に相場が振れた時に ”自信満々” 勢いよく「買い」が入ったが、今日(7/17)はズルズル下落。「買い戻し」がほとんど見られない。ショート(売り)ポジションが極端に少ないのだろう

 河野デジタル相の「利上げ」発言 ↑ を材料視する向きもあるが、それだけで▼2円も落ちたりはしないFXは「多数決」「需給」が悪化しているのが根本要因

  ”権限もないくせに余計な言うな!” 
  ”利上げなんかしたら経済が持たないだろ” 
  ”本当に経済音痴だな” 

 ネットではまあ出るわ出るわ罵詈雑言の嵐(苦笑)。 ”介入なんて効かない” ”どうせ円安にすぐ戻る” 等々、最近気にはなっていたがよほど「円高」になると困るらしい...FXの ”Ms. Watanabe" も随分「金利差」狙いの「キャリートレード」に傾斜「オルカン」「S&P」に投資している「新NISA」勢も同じ心境かもしれない

 いくら好きでも満腹のゴリラはバナナを食べない。|損切丸 (note.com) 的観点からは*市場参加者10人のうち8人以上が「円売り」状態で「円買い」でポジションを閉じたいトレーダーばかりに偏っている危険がある

 *LTCM破綻時(1998)のようにリスクが一極集中していないので3日で▼25円急落のような事態は想定しないが、それでも「山登り」(上昇チャート)が「山下り」(下落チャート)に変わった可能性はある。そうするとこれまで必勝の「押し目買い」はただの「ナンピン買い」になってしまう

 こういう場面 "過去" の蓄積データを元に対応する「AI」は心許ない「人」の能力は遙かに凌駕するが、逆に言うとデータが無ければ機能しない。もっとも「チャート」も統計学的なアプローチで「人」が作り上げたプログラムとも言え、筆者から見ると ”同じ歴史” の繰り返し。違いは「進行速度」や「タイムスケール」だけだ

 「トランプ2.0」の衝撃|損切丸 (note.com) に備えるグローバル投資家の意識の変化もあろう。ただ意外にも出てきた発言が 

 トランプ氏:「選挙前に利下げを行うべきではない」…パウエルFRB議長を解任しない方針

 もっともこれは「利下げ」で株価を押し上げたい現大統領陣営に対するカウンターに過ぎず、額面通り受け取る市場参加者は少ない。出来れば大統領就任後に「利下げ」を開始して全部自分の手柄にしたい思惑も見え隠れする

 狙撃されて死線を彷徨ったせいか、表情が穏やかになったように見える氏だが、いきなり「聖人」になったりはしない。大統領戦に勝って権力を手に入れれば「減税」「利下げ」「ドル安」の大合唱。みんな警戒している

 米国債もこの「利下げ」 "後ろ倒し" のリスクを微妙に加味しており、2年以内の金利が上昇。9月「利下げ」期待はむしろ後退している

 「ドル円」が「山下り」に転じるならほぼ3年振りの「変化」「AI」が "学習" するにもある程度の時間が必要だ。**「新NISA」で投資を始めた人には試練となりそうだが、ここは慎重に見極めたい

 **外資で「仕組債」「ハイイールド債」等々、日本人、特にリスクに疎い個人投資家がウォール街の ”養分” になってきたのを散々見てきた。つらいからといって思考停止 ≓ ”ガチホ” とか横を向いたりする事なくここできちんと "学習" して欲しい。そうでないと投資ノウハウが蓄積しない

 「インフレ」に関してはこの国も大分理解が進んだ。「預貯金」は決して安全資産ではない。 我々は一体何に「投資」しているのか? - 「新NISA」開始に当って|損切丸 (note.com) 特に ”みんなと一緒” では乗り切れない - 日本人はもっと「リスク」について勉強した方がいい|損切丸 (note.com) 「お金」を中心とする資本主義経済で生きている以上、必ずなにがしかの「リスク」は抱えている事を認識すべき

  ”自分が困っている時はみんなが困っている時”

 相場に対峙する時にはこういう感覚も必要。「円高」で困る人は自分だけでなくもっといる...。そうやってマーケットを俯瞰する事で「客観的判断」が可能になる。あとは先に動くか後でみんなについていくか。ただ ”結果” は大きく違ってくる「客観的判断」が正しいかどうかの自己検証は常に必要だが、詰めるだけ詰めたらあとは自分を信じて踏み切る "勇気" のみ

 「危っぶね~」

 筆者もすんでの所で逃げ延びた事が何度もある。そうして始めて「後悔」しなくて済む。なかなか大変だが全ては経験= "学習" 。上手く切り抜ければ "先" に繋がる。 ”ピンチはチャンス” 。前に進むには逆転の発想も肝要だ

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